2026年9月第1週(9月4日〜6日)、欧州主要5大リーグが激動のラウンドを迎えました。
今節の最大の見どころは、プレミアリーグ第3節で実現したアーセナル vs チェルシーの「ビッグロンドン・ダービー」です。エミレーツ・スタジアムで行われたこの一戦は、アルテタ監督率いるアーセナルがシャビ・アロンソ新体制チェルシーを2-1で退け、開幕3連勝を飾りました。
スペインではラ・リーガ第4節でレアル・マドリードがレアル・ベティスに0-1で敗れる大波乱が発生。アスレティック・ビルバオがアトレティコ・マドリードを3-0で圧倒するなど、優勝争いは序盤から大混戦です。
日本人選手も各地で奮闘しています。田中碧選手(リーズ・ユナイテッド)がプレミアリーグで先制点をアシストし、ファン投票でマン・オブ・ザ・マッチに選出。鎌田大地選手・冨安健洋選手(クリスタル・パレス)はフラム戦で今季初勝利に貢献し、鈴木彩艶選手(アストン・ヴィラ)はプレミアリーグ初のクリーンシートを達成しました。
本記事では、JFA公認B級コーチ/フィジカルフィットネスC級・指導歴10年以上の指導者の視点から、全試合結果と順位、日本人選手の詳細査定、アーセナル対チェルシーの戦術解剖、育成現場に還元できる指導メソッドまでをお届けします。
なお、通常であれば9月上旬は代表ウィークに入る時期ですが、FIFAの国際マッチカレンダー改革により2026年9月21日〜10月6日の16日間に大型代表ウィンドウが集約されたため、9月中旬まで欧州各国のリーグ戦は中断なく開催されています。
- 1. 欧州5大リーグ 試合結果・スコア一覧(2026年9月4日〜6日)
- 2. 各リーグ暫定順位と勢力図
- 3. 日本人選手の詳細スタッツ速報&プレー査定
- 3-1. 田中碧(リーズ・ユナイテッド):敵地AMEXでMOM選出の大活躍
- 3-2. 鎌田大地&冨安健洋(クリスタル・パレス):ロンドン・ダービーで今季初勝利
- 3-3. 鈴木彩艶(アストン・ヴィラ):プレミアリーグ初のクリーンシート達成
- 3-4. 堂安律(フランクフルト):チーム大敗の中で厳しい一戦
- 3-5. 板倉滉(ボルシアMG):昇格組に逆転を許す悔しい敗戦
- 3-6. その他の日本人選手の状況
1. 欧州5大リーグ 試合結果・スコア一覧(2026年9月4日〜6日)
2026年9月4日〜6日に開催された欧州5大リーグの公式戦スコアを、各リーグごとにまとめました。
1-1. イングランド:プレミアリーグ第3節 全試合結果
プレミアリーグは2026-27シーズンも20チーム制です。第3節の全試合結果を時系列でまとめます。
イングランド:プレミアリーグ第3節
| 開催日 | ホームチーム | スコア | アウェイチーム | 主なトピックス・得点者 |
| 9月4日 | イプスウィッチ・タウン | 0 – 2 | リヴァプール | リヴァプールがアウェイで完勝し、上位進出を狙う。 |
| 9月5日 | ブライトン | 1 – 1 | リーズ・ユナイテッド |
田中碧が先発出場し15分のボーグルの先制点をアシスト。71分にヴシュコヴィッチの同点弾。 |
| 9月5日 | フラム | 2 – 3 | クリスタル・パレス |
鎌田大地が先発出場し77分のチルウェルの決勝点をアシスト。パレスが打ち合いを制す。 |
| 9月5日 | マンチェスター・シティ | 1 – 0 | コヴェントリー・シティ |
王者シティが手堅く勝利を収め、無傷の開幕3連勝。 |
| 9月5日 | ニューカッスル | 2 – 2 | ボーンマス |
互いに譲らず、2-2のドロー決着。 |
| 9月5日 | ブレントフォード | 1 – 1 | サンダーランド |
接戦の末、勝ち点1を分け合う。 |
| 9月5日 | ノッティンガム・フォレスト | 0 – 0 | トッテナム・ホットスパー |
両チームともに決定力を欠き、スコアレスドロー。 |
| 9月5日 | ハル・シティ | 0 – 0 | アストン・ヴィラ |
鈴木彩艶が先発フル出場。ヴィラは開幕戦以来のクリーンシートを達成。 |
| 9月6日 | エヴァートン | 2 – 2 | マンチェスター・ユナイテッド |
壮絶な打ち合いの末、引き分け。 |
| 9月6日 | アーセナル | 2 – 1 | チェルシー |
ロジャーズ(2分)、ハヴァーツ(25分)、ウーデゴール(50分)の得点でアーセナルが逆転勝利。 |
1-2. スペイン:ラ・リーガ第4節 主要試合結果
ラ・リーガ第4節の主要試合結果をまとめます。
| 開催日(現地) | ホーム | スコア | アウェイ | 主な得点者・トピックス |
| 9月4日(金) | レアル・ベティス | 1 – 0 | レアル・マドリード | 今節最大の波乱。マドリー今季初黒星 |
| 9月5日(土) | アスレティック・ビルバオ | 3 – 0 | アトレティコ・マドリード | サン・マメスでビルバオがシメオネ軍団を圧倒 |
| 9月5日(土) | セルタ・デ・ヴィーゴ | 1 – 1 | ビジャレアル | 拮抗した展開の末に痛み分け |
| 9月6日(日) | デポルティーボ・アラベス | 5 – 2 | CAオサスナ | 今節最多得点の乱打戦をアラベスが制す |
| 9月6日(日) | レアル・ソシエダ | 1 – 1 | RCDマジョルカ | 久保建英フル稼働。古巣相手に惜しくもドロー |
| 9月6日(日) | FCバルセロナ | 3 – 1 | バレンシア | バルサが開幕4連勝で単独首位を独走 |
なお、レアル・ソシエダの第4節はエルチェ戦(9月7日〜8日開催)でした。ソシエダが3-2で勝利しましたが、久保建英選手はベンチ入りしたものの出場機会がありませんでした。
1-3. ドイツ:ブンデスリーガ第2節 全試合結果
ブンデスリーガ第2節の全試合結果です。
9月5日(土)
VfBシュトゥットガルト 4 – 1 ケルン
ヴェルダー・ブレーメン 3 – 1 RBライプツィヒ
ボルシアMG 3 – 4 SVエルフェルスベルク(板倉滉フル出場、橋岡大樹は負傷によりメンバー外)
シャルケ04 0 – 0 バイエルン・ミュンヘン
バイヤー・レバークーゼン 4 – 0 ウニオン・ベルリン
ホッフェンハイム 2 – 3 ボルシア・ドルトムント
パダーボルン 0 – 1 フライブルク
ハンブルガーSV 0 – 5 マインツ
9月6日(日)
アイントラハト・フランクフルト 1 – 4 FCアウクスブルク(堂安律先発出場87分プレー、小杉啓太も先発)
| 開催日(現地) | ホーム | スコア | アウェイ | 主な得点者・トピックス |
| 9月5日(土) | ヴェルダー・ブレーメン | 3 – 1 | RBライプツィヒ | ブレーメンがディンクチらのゴールで快勝 |
| 9月5日(土) | シャルケ04 | 0 – 0 | バイエルン・ミュンヘン | 昇格組シャルケが王者バイエルンを完封 |
| 9月5日(土) | バイヤー・レバークーゼン | 4 – 0 | ウニオン・ベルリン | レバークーゼンが圧倒的な攻撃力で4発圧勝 |
| 9月5日(土) | ホッフェンハイム | 2 – 2 | ボルシア・ドルトムント | ドルトムントが終盤に追いつきドロー |
| 9月6日(日) | アイントラハト・フランクフルト | 2 – 0 | FCアウクスブルク | 堂安律が右サイドで躍動しホーム開幕白星 |
| 9月6日(日) | VfBシュトゥットガルト | 2 – 1 | ボルシアMG | 板倉滉フル出場、橋岡途中出場も惜敗 |
フランクフルトは6分にブルカートのゴールで先制しましたが、後半に入りアウクスブルクが46分・48分・65分・89分と4ゴールを叩き込む衝撃的な逆転劇となりました。
1-4. イタリア:セリエA第3節 & フランス:リーグ・アン第3節 ハイライト
セリエA第3節のポイント
・ユヴェントス vs ACミランは1-1のドロー。ガッティの終盤の同点弾でユヴェントスが追いつく展開
・インテルはナポリとの大一番に臨む
・サッリ体制のアタランタは組織的なパスワークで好調を維持
リーグ・アン第3節のポイント
・ASモナコがストラスブールに3-1で勝利し開幕3連勝
・PSGはリールとのアウェイ戦を1-1で引き分け
・マルセイユはトゥールーズに2-0で勝利
2. 各リーグ暫定順位と勢力図
第3〜4節終了時点での各リーグの暫定順位をまとめます。シーズンはまだ序盤ですが、すでに上位争いの輪郭が見え始めています。
2-1. プレミアリーグ暫定順位(第3節終了時点)
・1位:マンチェスター・シティ(勝点9 / 3勝0分0敗 / 得失点差+5)
・2位:アーセナル(勝点9 / 3勝0分0敗 / 得失点差+5)
・3位:ハル・シティ(勝点7 / 2勝1分0敗 / 得失点差+3)
・4位:チェルシー(勝点6 / 2勝0分1敗 / 得失点差+1)
・5位:リヴァプール(勝点6 / 2勝0分1敗 / 得失点差+3)
マンチェスター・シティとアーセナルが共に3戦全勝・勝点9で首位タイに並んでいます。注目すべきは、昇格組のハル・シティが開幕2勝1分で3位につけていることです。チェルシーはアーセナルに敗れたものの、開幕2勝で4位と新体制の船出としては上々の滑り出しです。
2-2. ラ・リーガ暫定順位(第4節終了時点)
・1位:FCバルセロナ(勝点12 / 4勝0分0敗 / 得失点差+15)
・2位:デポルティーボ・アラベス(勝点10 / 3勝1分0敗 / 得失点差+7)
・3位:レアル・マドリード(勝点9 / 3勝0分1敗 / 得失点差+7) ・
4位:レアル・ベティス(勝点9 / 3勝0分1敗 / 得失点差±0)
・5位:デポルティーボ・ラ・コルーニャ(勝点8 / 2勝2分0敗 / 得失点差+3)
・6位:セビージャ(勝点7 / 2勝1分1敗)
・7位:アトレティコ・マドリード(勝点7 / 2勝1分1敗)
バルセロナが開幕4連勝・得失点差+15という圧倒的な数字で単独首位を独走しています。マドリード勢は共に1敗を喫しており、特にアトレティコはビルバオに3-0で完敗するなど課題が浮き彫りになっています。昇格組アラベスの2位躍進も今季の注目トピックスです。
2-3. ブンデスリーガ暫定順位(第2節終了時点)
・1位:FCアウクスブルク(勝点6 / 2勝0分0敗)
・6位付近:バイエルン・ミュンヘン(シャルケとの0-0ドローにより足踏み)
まだ第2節終了時点のため流動的ですが、アウクスブルクが2連勝で暫定首位に立つ波乱の展開となっています。昇格組シャルケ04が王者バイエルンを無失点に抑え、レバークーゼンが4-0で圧勝するなど、各所でサプライズが生まれています。
3. 日本人選手の詳細スタッツ速報&プレー査定
欧州トップリーグで戦う日本人選手たちの最新パフォーマンスを、指導者の視点で評価します。
今節の日本人選手パフォーマンス査定一覧
・田中碧(リーズ・ユナイテッド)
vs ブライトン 1-1 分 → 評価 ★★★★★ / 先発73分出場・先制点アシスト・MOM選出
・鎌田大地(クリスタル・パレス)
vs フラム 3-2 勝 → 評価 ★★★★☆ / 先発出場・今季初勝利に貢献
・冨安健洋(クリスタル・パレス)
vs フラム 3-2 勝 → 評価 ★★★★☆ / 先発出場・移籍後初スタメン
・鈴木彩艶(アストン・ヴィラ)
vs ハル・シティ 0-0 分 → 評価 ★★★★☆ / 先発フル出場・PL初クリーンシート達成
・堂安律(フランクフルト)
vs アウクスブルク 1-4 負 → 評価 ★★☆☆☆ / 先発87分出場・チーム大敗
・板倉滉(ボルシアMG)
vs エルフェルスベルク 3-4 負 → 評価 ★★★☆☆ / 先発フル出場・逆転負け
・久保建英(レアル・ソシエダ)
vs エルチェ 3-2 勝 → 出場なし(ベンチ入りのみ)
・橋岡大樹(ボルシアMG)
開幕戦の負傷により欠場
・三笘薫(ブライトン)
ハムストリング手術後のリハビリ中。復帰は10月以降の見込み
3-1. 田中碧(リーズ・ユナイテッド):敵地AMEXでMOM選出の大活躍
対戦カード:ブライトン 1 – 1 リーズ・ユナイテッド(プレミアリーグ第3節)
出場記録:先発出場(73分交代)
検索で確認できた個人スタッツは以下のとおりです。
・先制点のアシスト:ボーグルの15分のゴールをアシスト
・タッチ数:37回
・パス成功:19本
・クリア:3回
・ボール奪取:3回
・タックル:2回
・シュート:2本(うち1本がポスト直撃)
・オフサイドによるゴール取り消し1回
指導者査定:MOM級 / ★★★★★
田中碧選手は、ブライトンのホーム(AMEXスタジアム)で先発出場し、ファン投票63%の圧倒的支持を集めて「ハイセンス・プレイヤー・オブ・ザ・マッチ」に選出されました。
ポストを叩くシュートやオフサイド判定でのゴール取り消しなど、得点面でも惜しい場面がありました。先制点のアシストに加え、守備面でもクリア3回・タックル2回と献身的なプレーを見せています。
73分での交代はファルケ監督のコンディション管理と考えられますが、ピッチ上では存在感を発揮しました。
指導者目線での注目ポイント
田中選手のプレーで特に印象的なのは「首振り(スキャニング)」です。ボールを受ける前に周囲を確認する動作の速さと回数が際立っています。
「首振り」とは、サッカーにおいてボールを受ける前に首を左右に振って周囲の状況を確認する動作です。田中選手の場合、味方がパスを蹴る前に1回、ボールが転がっている間にもう1回と、計2回の首振りを習慣化しています。これにより、ボールを受ける前に判断を完了させ、プレミアリーグの激しいプレスの中でも正確なプレーを実現しています。
3-2. 鎌田大地&冨安健洋(クリスタル・パレス):ロンドン・ダービーで今季初勝利
対戦カード:フラム 2 – 3 クリスタル・パレス(プレミアリーグ第3節)
出場記録:鎌田大地(先発出場)、冨安健洋(先発出場・パレス移籍後初スタメン)
指導者査定:鎌田 ★★★★☆ / 冨安 ★★★★☆
クレイヴン・コテージで行われたロンドン・ダービーで、パレスが3-2で勝利しました。冨安選手にとってはクリスタル・パレス移籍後初のスタメン出場となる記念すべき試合です。
冨安選手は2025年7月にアーセナルとの契約を解除した後、アヤックスを経て2026年8月にパレスへフリー移籍で加入しました。鎌田選手とは同じチームでの共闘となり、日本人コンビの連携がチームの今季初勝利に貢献しました。
指導者目線での共闘分析
冨安選手が最終ラインに入ることで、後方からのビルドアップ(ゴールキーパーやディフェンスラインから攻撃を組み立てるプレー)の安定感が大きく向上します。正確なフィードで前線の鎌田選手へクリーンなボールを供給できる点は、チーム全体の攻撃の質を底上げします。
鎌田選手は中盤で相手の守備ラインの間のスペースでボールを引き出す「リンクマン」としての機能を果たしました。守備時も両選手のポジショニングがコンパクトに保たれており、今後の連携向上に期待が持てる内容でした。
3-3. 鈴木彩艶(アストン・ヴィラ):プレミアリーグ初のクリーンシート達成
対戦カード:ハル・シティ 0 – 0 アストン・ヴィラ(プレミアリーグ第3節)
出場記録:先発フル出場
指導者査定:★★★★☆
鈴木彩艶選手は、パルマからアストン・ヴィラへ移籍後、第2節アーセナル戦でプレミアリーグデビューを果たしました。そして第3節のハル・シティ戦では先発フル出場し、プレミアリーグ初のクリーンシート(無失点試合)を達成しています。
アストン・ヴィラは今季UEFAチャンピオンズリーグにも出場するクラブであり、鈴木選手がそのゴールマウスを任されていることは日本サッカーにとって大きな意味を持ちます。
3-4. 堂安律(フランクフルト):チーム大敗の中で厳しい一戦
対戦カード:アイントラハト・フランクフルト 1 – 4 FCアウクスブルク(ブンデスリーガ第2節)
出場記録:先発出場(87分交代)
指導者査定:★★☆☆☆
堂安律選手はホーム開幕戦のアウクスブルク戦に先発出場し、87分までプレーしました。同じくフランクフルト所属の小杉啓太選手も先発メンバーに名を連ねています。
フランクフルトはブルカートの6分のゴールで先制したものの、後半に入るとアウクスブルクに4ゴールを許す衝撃的な逆転負けを喫しました。イブラヒモヴィッチ(46分)、フェルハウアー(48分)と後半開始直後に立て続けに失点し、そこから立て直すことができませんでした。
堂安選手個人のプレー内容とは別に、チーム全体の守備組織が崩壊した試合であり、厳しい評価とせざるを得ません。
3-5. 板倉滉(ボルシアMG):昇格組に逆転を許す悔しい敗戦
対戦カード:ボルシアMG 3 – 4 SVエルフェルスベルク(ブンデスリーガ第2節)
出場記録:先発フル出場(右センターバック)
指導者査定:★★★☆☆
板倉滉選手は、アヤックスからボルシアMGへ復帰後、4バックの右センターバックとして先発フル出場しました。
試合はボルシアMGが先行する展開でしたが、昇格組のエルフェルスベルクに後半アディショナルタイムの失点を含む逆転を許し、3-4で敗戦。板倉選手は守備の要として奮闘しましたが、チーム全体の集中力の欠如が悔やまれる結果となりました。
なお、橋岡大樹選手は開幕戦(ライプツィヒ戦)での負傷により今節はメンバー外でした。町野修斗選手はベンチ入りしましたが出場機会はありませんでした。
3-6. その他の日本人選手の状況
久保建英選手(レアル・ソシエダ)は、第4節のエルチェ戦でベンチ入りしたものの出場機会がありませんでした。チームは3-2で勝利しています。前節までは好調でしたので、コンディション管理や戦術的な判断による温存の可能性があります。
三笘薫選手(ブライトン)は、2026年5月にハムストリングを負傷し手術を受けた後、リハビリを継続中です。チーム練習には合流していますが、ヒュルツェラー監督は「代表ウィーク明け(10月以降)の復帰」を見込んでおり、慎重な調整が続いています。
4. 戦術的に見えた3点:アーセナル vs チェルシー(2-1)徹底解剖
今節最も高度な戦術的駆け引きが繰り広げられたプレミアリーグ第3節「アーセナル 2-1 チェルシー」から、指導者目線で特に注目すべき3つの戦術的ポイントを解説します。
試合概要
・スタジアム:エミレーツ・スタジアム(観衆 60,300人)
戦術ポイント1:アーセナルの「オーバーロード&アイソレーション」
アーセナルは攻撃時に3-2-4-1の可変システムを用い、右サイド(ホワイト、トーマス、ウーデゴール、サカ)に極端に人を集める「オーバーロード」を形成しました。
「オーバーロード」とは、ピッチの特定のエリアに味方選手を集中させて局所的に数的優位を作る戦術です。
このオーバーロードの真の狙いは、逆サイドにスペースを生み出すことにあります。チェルシーの守備ブロック全体を右サイドへスライドさせることで、左サイドのマルティネッリとカラフィオーリは広大なオープンスペースで1対1の状況を作り出せます。この状態を「アイソレーション(孤立化)」と呼びます。
戦術ポイント2:シャビ・アロンソ監督のハーフタイム修正力
就任初年度のシャビ・アロンソ監督が、試合中にこれだけ的確な修正を行えることは注目に値します。バイヤー・レバークーゼン時代にブンデスリーガ無敗優勝を成し遂げた経験が、大舞台でのベンチワークに反映されています。
戦術ポイント3:ネガティブ・トランジションの強度差が勝敗を分けた
この試合の勝敗を最終的に分けたのは、ボールを失った直後の「ファーストプレッシャーの到達速度」でした。
「ネガティブ・トランジション」とは、自チームがボールを失った瞬間の攻撃から守備への切り替え局面を指します。
アーセナルは前線のハヴァーツ・サカがボールを奪われた瞬間から躊躇なくボールホルダーへアプローチし、後ろのライスとサリバが縦パスの受け手を前向きに潰す連動性を90分間維持し続けました。
また、勝ち越しゴール自体はコーナーキックからのセットプレーでした。アーセナルはオープンプレーだけでなく、セットプレーの組織力でも一枚上手だったことを示しています。
5. 少年指導へ応用できる観察ポイント
今節の試合から、少年サッカーや中学・高校年代の指導現場ですぐに実践できる観察ポイントをまとめます。
5-1. 田中碧に学ぶ「首振りの2段階リズム」
田中碧選手のプレーから最も取り入れやすいのが「首振りの2段階リズム」です。
・1回目:「味方がパスを蹴る前」に首を振り、相手の位置を確認する
・2回目:「ボールが自分に向かって転がっている間」にもう1回首を振り、最新の状況を更新する
この計2回の首振りを習慣化させることで、ボールを受ける前に判断を完了させることができます。
練習メニュー例
2対1や3対1のロンド(鳥かご)を行う際に、指導者がボールを受ける選手の背後に立ち、指で数字を示します。選手はその数字を声に出してコールしながらパスをつなぎます。
最初はうまくできなくても、首を振る動作そのものを褒めることが大切です。成功体験を積み重ねることで、周囲を見る意識が自然と定着します。
5-2. 冨安&鎌田に学ぶ「斜め45度のサポート」
冨安選手と鎌田選手の連携から学べるのが「斜めのサポート(アングル)」の重要性です。
ボールを持った味方をサポートする際、真後ろに立つ選手が多いのですが、これでは相手の視野に入りボールを受けにくくなります。
・正しいサポート位置は「斜め後方45度」
・相手の視野の外からボールを受けられる三角形のサポートを意識する
・3対1や4対2のミニゲームで、サポートの角度を声がけするコーチングが効果的
この「三角形のサポート」は、年代を問わずサッカーの基本中の基本です。ジュニア年代からこの角度を体に染み込ませることで、将来の判断力に大きな差が生まれます。
5-3. アーセナルに学ぶ「ファーストステップ2歩の全力スプリント」
アーセナルのゲーゲンプレス(即時奪回プレス)から学べるのが「ファーストステップ2歩の全力スプリント」です。
ボールを奪われた瞬間、多くの選手は審判を見たり味方を振り返ったりしてしまいます。しかし、トランジションで最も重要なのは「最初の2歩」です。
・ボールを奪われた瞬間、最初の2歩をボールホルダーに向かって全力で寄せる
・この2歩で相手の選択肢を狭め、味方が戻る時間を稼ぐ
練習への導入方法として、ミニゲーム内で「3秒以内にボールを奪い返せば2点」というルールを設定する方法が効果的です。選手たちは自然とボールロスト直後の切り替えを意識するようになります。
大切なのは、この習慣をミニゲームの「ルール」として仕組み化し、無意識に体が動くまで反復させることです。
6. 次節の見どころ&注目カードプレビュー
次節に予定されている欧州各リーグの注目マッチをプレビューします。
6-1. プレミアリーグ第4節の注目カード
チェルシー vs ハル・シティ
ビッグロンドン・ダービーで敗れたチェルシーが、スタンフォード・ブリッジにハル・シティを迎えます。ハル・シティは今季開幕から無敗で勝点7の3位と好調です。シャビ・アロンソ監督がどのように立て直しを図るかに注目です。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ2026年9月上旬は国際Aマッチウィークの中断がないのですか?
A1. FIFAが2025〜2030年の国際マッチカレンダー改革を導入したためです。
従来は9月上旬と10月上旬にそれぞれ代表ウィークが設定されていましたが、2026年シーズンからはこの2回の中断が統合されました。2026年9月21日〜10月6日の16日間に大型代表ウィンドウが集約され、この期間中に最大4試合が組まれます。
そのため、2026年9月中旬までは欧州各国のリーグ戦が中断なく通常通り開催されています。
Q2. アーセナルの強さの秘訣は何ですか?
A2. アーセナルの強さを支える要素は大きく2つあります。
1つ目は、攻撃時の3-2-4-1可変ビルドアップの完成度の高さです。守備時の4バックから攻撃時の3バックへスムーズに移行し、数的優位を作りながらボールを前進させます。
2つ目は、ボールを失った瞬間のゲーゲンプレス(即時奪回プレス)の連動性です。特に右サイドで相手を引きつけて左サイドで仕留める「オーバーロード&アイソレーション」の攻撃パターンの再現性は、欧州トップクラスです。
Q3. ジュニア年代の選手に「首振り」を身につけさせる効果的な練習方法はありますか?
A3. ロンド(鳥かご)を活用したトレーニングが効果的です。
2対1や3対1のロンドを行う際に、指導者がボールを受ける選手の背後に立ち、指で数字を示します。選手はその数字を声に出してコールしながらパスをつなぎます。
この練習により、ボールだけを見る癖が修正され、周囲に目を配る習慣が自然と身につきます。大切なのは、うまくできなくても首を振る動作そのものを褒めることです。
Q4. シャビ・アロンソ監督はいつチェルシーの監督に就任したのですか?
A4. シャビ・アロンソ監督は2026年7月1日付でチェルシーの監督に就任しました。
契約期間は2030年6月30日までの4年間です。前任監督の解任後、2026年5月17日に正式発表されました。バイヤー・レバークーゼンでブンデスリーガ無敗優勝を達成した実績を持ち、チェルシーでは若手中心のチーム作りに取り組んでいます。
Q5. 鈴木彩艶選手はなぜアストン・ヴィラに移籍したのですか?
A5. 鈴木彩艶選手は、2026年8月19日にパルマからアストン・ヴィラへ完全移籍で加入しました。
移籍金は固定分3,000万ユーロ+ボーナス500万ユーロの最大3,500万ユーロ(約64億円)と報じられています。契約は2031年までの5年間で、背番号は「1」です。当初はPSGへの移籍が報じられていましたが、直前で破談となりヴィラへの移籍が決まりました。プレミアリーグ第2節アーセナル戦でデビューを果たし、第3節では初のクリーンシートを達成しています。
8. まとめ:激化する欧州戦線と日本人選手の存在感
2026-27シーズンの欧州主要リーグは、開幕からわずか数週間で各国の勢力図が激しく揺れ動く展開となっています。
今節の主なポイントを振り返ります。
・プレミアリーグはマンチェスター・シティとアーセナルが共に3連勝で首位タイ。アーセナルはビッグロンドン・ダービーで「オーバーロード&アイソレーション」の戦術的完成度の高さを証明しました。
・ラ・リーガではバルセロナが開幕4連勝・得失点差+15で独走態勢。レアル・マドリードとアトレティコ・マドリードが共に敗れる波乱が起き、次節のマドリード・ダービーで巻き返しが求められます。
・ブンデスリーガではアウクスブルクが2連勝で暫定首位に立つサプライズ。フランクフルトやボルシアMGなど、日本人選手所属クラブが苦しい結果に終わりました。
・日本人選手では、田中碧選手のMOM選出、鎌田&冨安のパレス初勝利への貢献、鈴木彩艶選手のプレミアリーグ初クリーンシートが光りました。
引き続き最新情報をお届けしてまいります。
↓こちらも合わせて確認してみてください↓
-新潟市豊栄地域のサッカークラブ-
↓noteで更新情報公開中♪↓
↓Twitterで更新情報公開中♪↓
↓TikTokも更新中♪↓
↓お得なサッカー用品はこちら↓







コメント