第104回全国高校サッカー選手権 準決勝:国立競技場で刻まれた新たな歴史と激闘の記録
結論:新時代の幕開けを告げる「初」の決勝進出
2026年1月10日、高校サッカーの聖地である国立競技場において、第104回全国高校サッカー選手権大会の準決勝2試合が開催されました。この日は、日本の高校サッカー史において特筆すべき転換点として記憶されることになります。なぜなら、激闘を制して決勝戦への切符を手にしたのは、**神村学園(鹿児島)と鹿島学園(茨城)**という、ともに学校史上初となるファイナル進出を果たした2校だったからです。
長きにわたり高校サッカー界を牽引してきた伝統校や強豪校がひしめく中、この2校が勝ち上がった事実は、勢力図の確実な変化を示唆しています。神村学園は、夏のインターハイ王者としての誇りを胸に、苦しみながらもPK戦を制して「夏冬二冠」への挑戦権を得ました。対する鹿島学園は、鉄壁の守備と終了間際の劇的なゴールにより、関東の強豪対決を制しました。
特筆すべきは、両校が背負う地域の悲願の重さです。神村学園の決勝進出は、鹿児島県勢として2004年度の鹿児島実業以来、実に21年ぶりの快挙となります。一方の鹿島学園は、1980年度の古河一以来、45大会ぶりとなる茨城県勢の優勝に王手をかけました。どちらが勝っても、優勝旗が久方ぶりにその地へと渡ることになります。この歴史的な一日は、単なる勝敗を超え、選手たちの執念とチームの成熟度が最高潮に達した瞬間を目撃する場となりました。
理由:勝敗を分けた「極限のメンタリティ」と「戦術的完遂力」
なぜ、神村学園と鹿島学園は、これほどのプレッシャーがかかる大一番で勝利を収めることができたのでしょうか。その背景を分析すると、両チームに共通する「逆境における精神的なタフネス」と、チーム全体で共有された「戦術の徹底した遂行能力」が浮かび上がってきます。準決勝という独特の緊張感の中で、彼らは自分たちのサッカーを見失いませんでした。
神村学園:失点をも想定内とする「王者の泰然」
神村学園の勝因の核心は、不測の事態に動じない強靭な精神力にあります。第1試合の尚志(福島)戦において、神村学園は前半開始早々の5分に先制点を許すという、最も警戒していた展開を強いられました4。通常であれば浮足立ち、焦りからパスミスが増えてもおかしくない場面です。
しかし、彼らは違いました。キャプテンの中野陽斗選手が試合後に「失点後も慌てなかった」と振り返った通り、チーム全体が即座に気持ちを切り替え、自分たちのスタイルである「神村らしい」ポゼッションサッカーへと回帰しました。この「失点すらもゲームの一部」と捉える冷静さは、夏の王者が持つ経験値の成せる業と言えます。PK戦が10人目までもつれ込む死闘となっても、その集中力が途切れることはありませんでした。
鹿島学園:90分間耐え抜き、一瞬で刺す「忍耐の美学」
一方、鹿島学園の勝因は、強固な守備ブロックによる忍耐と、訪れたワンチャンスを確実に仕留める決定力に集約されます。対戦相手の流通経済大柏(千葉)は、中盤にダイヤモンド型を敷き、Jリーグ内定者を複数擁する強力な攻撃陣で主導権を握ってきました。
鹿島学園はこの猛攻に対し、4-4-2のコンパクトな陣形を保ち続け、決定的な仕事をさせませんでした。DF陣が体を張り、GKプムラピースリブンヤコ選手が好セーブを連発することで、チーム全体に「耐えればチャンスは来る」という確信が生まれました5。そして迎えた後半45分、アディショナルタイム目前での決勝ゴールは、まさにその忍耐が結実した瞬間でした。途中出場の選手が結果を残したことも、チーム全員が戦う準備を整えていた証拠と言えます。
以下に、両チームが準決勝で見せた勝負のポイントを比較・整理します。
| チーム名 | 勝負の決定打 | 精神的要因(メンタリティ) | 戦術的特徴(メカニズム) |
| 神村学園 | PK戦(9-8)での勝利 | 先制されても動じない冷静さと修正力 | ボールを保持し主導権を握り返す展開力 |
| 鹿島学園 | 終了間際(後半45分)の決勝弾 | 劣勢を耐え抜き、好機を待つ忍耐力 | 4-4-2の堅守速攻と効果的な選手交代 |
具体例:聖地を揺るがした準決勝2試合の完全詳細レポート
それでは、国立競技場を熱狂と感動の渦に巻き込んだ準決勝2試合について、具体的な試合展開、戦術的な攻防、そして選手たちのコメントを交えながら詳細に掘り下げていきます。
第1試合:尚志(福島) vs 神村学園(鹿児島)
〜因縁のリベンジマッチが生んだ、PK戦10人目のドラマ〜
第1試合は、夏のインターハイ王者である神村学園に対し、その準決勝で敗れた尚志が「リベンジ」を誓って挑む構図となりました。尚志の選手たちが「夏から神村とやるために頑張ってきた」と語る言葉には、この一戦にかける並々ならぬ執念が込められていました4。
試合展開:衝撃の幕開けと王者の修正
キックオフ直後の前半5分、試合はいきなり動きます。尚志が電光石火の攻撃で先制点を奪取しました。このゴールは、尚志が神村学園の出鼻をくじくために周到に準備してきたプランが見事にハマった結果でした。神村学園にとっては、これ以上ないほど苦しい立ち上がりとなりました。
しかし、ここからの神村学園の振る舞いこそが、彼らが「王者」と呼ばれる所以でした。失点直後こそ相手の勢いに押される場面がありましたが、ピッチ上の選手同士で声を掛け合い、徐々に落ち着きを取り戻していきます。DF竹野楓太選手(2年)らが最終ラインから丁寧にビルドアップを開始し、神村学園の代名詞であるパスワークが機能し始めました。
その後、神村学園は同点ゴールを奪い、スコアを1-1の振り出しに戻します。後半に入ると、尚志もDF松澤琉真選手を中心に激しい守備を見せ、「相手のエースを抑えることが一番の楽しみ」という言葉通り、神村学園の強力な攻撃陣に自由を与えませんでした。互いに譲らない攻防は、90分間で決着がつかず、運命のPK戦へと委ねられました。
運命のPK戦:極限の心理戦
PK戦は、技術以上に精神力が問われる残酷なステージです。両チームのキッカーは、国立競技場の大観衆が見守る中で次々とネットを揺らしていきました。通常の5人枠では決着がつかず、サドンデスへと突入します。
会場の緊張感がピークに達したのは、キッカーが1巡しようかという10人目の場面でした。外せば終わり、決めれば勝利という極限のプレッシャーの中で、神村学園の選手たちは驚くべき集中力を維持していました。GKも好セーブでチームを鼓舞し、最終的に神村学園が9-8でこの死闘を制しました。勝利が決まった瞬間、ピッチに崩れ落ちる尚志の選手たちと、歓喜を爆発させる神村学園の選手たちのコントラストは、勝負の厳しさと美しさを同時に物語っていました。
選手の声と勝因の分析
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中野陽斗選手(神村学園・主将):「失点後も慌てず、神村学園らしいサッカーができた」というコメントは、チームの成熟度を象徴しています。彼らはビハインドを「修正可能なエラー」として処理できていました。
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竹野楓太選手(神村学園・2年):U-17ワールドカップメンバーでありながらベンチスタートの悔しさを味わってきた彼は、「チームを勝たせる選手になる」という強い意志でピッチに立ちました。その気迫がチーム全体に伝播し、勝利を引き寄せた要因の一つとなりました。
第2試合:鹿島学園(茨城) vs 流通経済大柏(千葉)
〜鉄壁のブロックとアディショナルタイムの奇跡〜
続く第2試合は、関東勢同士の対決となりました。2年連続の決勝進出を狙う名門・流通経済大柏に対し、初の決勝を目指す鹿島学園が挑む、意地とプライドがぶつかり合う一戦です。
戦術的配置:矛盾の対決
この試合の見どころは、明確に異なる戦術の噛み合わせにありました。詳細なスターティングメンバーと配置から、両チームの意図を読み解くことができます。
| ポジション | 鹿島学園(4-4-2 フラット) | 流通経済大柏(4-4-2 ダイヤモンド) |
| GK | プムラピースリブンヤコ(2年) | 藤田泰土 |
| DF | 秋山龍詠、中川光星、齊藤空人、内野竜太郎 | 大徳剛矢、廣瀬煌、メンディー・サイモン友、増田大空 |
| MF |
木下永愛、清水朔玖(ボランチ)
伊藤蒼空(右)、三浦春人(左) |
島谷義進(アンカー)、古川蒼真、上田哲郎
安藤晃希(トップ下) |
| FW | 内海心太郎、渡部隼翔 | 金子琉久、大藤颯太 |
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流通経済大柏は、中盤をダイヤモンド型に配置し、中央での数的優位と流動的な攻撃を狙いました。Jリーグ内定者であるMF安藤晃希選手やFW大藤颯太選手を中心に、個の能力でも相手を上回ろうとする意図が見えました。前半19分の古川選手の突破や、21分の金子選手の決定機など、流通経済大柏が押し込む時間は長く続きました。
対する鹿島学園は、オーソドックスな4-4-2のブロックを敷き、スペースを消すことに徹しました。特にダブルボランチの木下選手と清水選手が中央を封鎖し、サイドへの展開に対してもスライドを徹底しました。ボールを持たれることは許容しつつ、決定的なエリアには侵入させない「我慢の守備」が機能していました。
勝負の分かれ目:耐えて、刺す
鹿島学園は防戦一方だったわけではありません。守備でリズムを作りながら、鋭いカウンターで相手の背後を脅かし続けました。前半23分には木下選手が抜け出し、24分には三浦選手のパスからシュートを放つなど、流通経済大柏のDF陣に「一瞬も気が抜けない」というプレッシャーを与え続けました。
試合が動いたのは、誰もが延長戦を覚悟し始めた後半45分でした。鹿島学園は攻撃のギアを一気に上げ、波状攻撃を仕掛けます。ゴール前の混戦からこぼれたボールに、途中出場の2年生FWワーズィージェイヴェン勝選手が誰よりも早く反応し、ゴールネットを揺らしました。
このゴールは、90分間集中力を切らさずに戦い続けたチーム全員への報酬でした。リードを奪った後の数分間、鹿島学園は冷静に時計の針を進め、1-0でタイムアップ。流通経済大柏の猛攻を完封し、歴史的な勝利を掴み取りました。DF齊藤主将が「相手の強度にビビってビルドアップすらできなかった」と振り返るほど苦しい展開でしたが、その苦しみを耐え抜いた先に歓喜が待っていました。
準決勝結果詳細データ一覧
ここで、準決勝2試合の結果と主要データを一覧表にまとめます。
| 対戦カード | 90分スコア | PK戦スコア | 決勝点(時間) | 勝利チームの特徴 |
| 尚志(福島) vs 神村学園(鹿児島) | 1 – 1 | 8 – 9 | PK戦による決着 | インターハイ王者の底力とPK戦の強さ |
| 鹿島学園(茨城) vs 流通経済大柏(千葉) | 1 – 0 | 該当なし | 後半45分(ワーズィージェイヴェン勝) | 堅守からの劇的な決勝弾と完封勝利 |
今後の予定:1月12日、国立競技場で新たな王者が誕生する
2日後の2026年1月12日、第104回全国高校サッカー選手権大会はいよいよフィナーレを迎えます。舞台は再び、国立競技場。決勝戦のカードは「神村学園 vs 鹿島学園」に決定しました。
決勝戦の見どころと展望
この一戦は、単なる高校生同士の試合という枠を超え、地域と歴史を背負った決戦となります。
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「二冠」への挑戦:神村学園
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夏のインターハイを制した彼らが目指すのは、冬の選手権も制覇しての完全優勝です。「楽しくサッカーをしながら勝ち上がる」というチームのモットーが、決勝の大舞台でも発揮されるかが鍵となります。攻撃的なスタイルを貫き、鹿島学園の堅守をこじ開けることができるでしょうか。
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「堅守」からの戴冠:鹿島学園
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初の決勝進出を果たした勢いは計り知れません。準決勝で見せたような、相手の長所を消し去る守備と、ワンチャンスをモノにする勝負強さは、神村学園にとって最大の脅威となるでしょう。17大会ぶりの準決勝進出から一気に頂点へと駆け上がるストーリーが完結するのか注目です。
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歴史的な背景:21年と45年の空白
この決勝戦には、それぞれの県における「空白の歴史」を埋めるという大きな意味があります。
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鹿児島県勢:2004年度の鹿児島実業(松井大輔選手などを輩出)以来、21年ぶりの優勝がかかっています。
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茨城県勢:1980年度の古河一以来、実に45大会ぶりの優勝がかかっています。
どちらが勝っても、その県に久しぶりの優勝旗を持ち帰ることになります。技術の神村か、執念の鹿島か。個々の技術や戦術だけでなく、最後まで諦めない姿勢が結果に直結することを改めて示した今大会。その集大成となる決勝戦は、多くのファンの心に刻まれる名勝負となることでしょう。
私たちメディアも、そしてファンの皆様も、この新たな歴史が刻まれる瞬間を見届ける証人となります。両校の健闘を心より祈りつつ、キックオフの笛を待ちたいと思います。
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