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サッカーにおける間延びの原因とデメリット、解消法まで徹底網羅

解説





サッカーの試合を見ていて「あのチーム、間延びしているな」という解説を聞いたことはありませんか? なんとなくネガティブなイメージはあるけれど、具体的にどういう状態で、何が問題なのか、どうすれば直るのか、意外と知らない方も多いかもしれません。

この記事では、サッカーにおける「間延び」という現象について、その定義から発生原因、深刻なデメリット、そして具体的な解消法まで、徹底的に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたは「間延び」のメカニズムを深く理解し、自分のチームや観戦している試合で、なぜそれが起こっているのか、どう改善すべきかのヒントを得られるはずです。

  1. 1. サッカーにおける「間延び」とは? まずは基本をチェック
    1. 1-1. 間延びの定義:FWとDFの距離が広がりすぎた危険な状態
    2. 1-2. なぜ「間延び」がサッカーで問題視されるのか?
  2. 2. あなたのチームは大丈夫? 間延びが引き起こす4つの深刻なデメリット
    1. 2-1. 1. 中盤に広大なスペースを与え、自由にプレーさせてしまう
    2. 2-2. 2. プレスが連動せず、相手に簡単にボールを運ばれる
    3. 2-3. 3. セカンドボールが拾えず、常に後手に回る
    4. 2-4. 4. 攻守の切り替え(トランジション)が遅くなり、チャンスを逃す
  3. 3. なぜ起こる? サッカーで「間延び」が発生する主な5つの原因
    1. 3-1. 原因1:FWのプレスが甘く、DFラインがずるずる下がる
    2. 3-2. 原因2:DFラインの押し上げが遅く、全体が後ろ重心になる
    3. 3-3. 原因3:中盤(MF)の運動量不足・ポジショニングのミス
    4. 3-4. 原因4:チーム全体の疲労(特に試合後半)
    5. 3-5. 原因5:選手間のコーチング(声かけ)不足と意識のズレ
  4. 4. 「間延び」解消の鍵は「コンパクト」! 理想的な陣形とは?
    1. 4-1. 「コンパクト」= 3ライン(FW, MF, DF)の距離を適切に保つ
    2. 4-2. 理想的な距離は? 縦(FW-DF)約25~30m、横(サイド間)約40m
    3. 4-3. コンパクトを保つメリット
  5. 5. 明日からできる! サッカーの「間延び」を解消する具体的な3つの方法
    1. 5-1. 方法1:DFラインの勇気ある押し上げとラインコントロール
    2. 5-2. 方法2:FWからの連動したプレス(ファーストディフェンダーの決定)
    3. 5-3. 方法3:チーム全体で「コンパクトさ」を意識するトレーニング
  6. 6. 間延びは悪影響だけ? 戦術的な「間延び」の活用法(上級編)
    1. 6-1. 意図的にスペースを作り出し、カウンターを狙う戦術
    2. 6-2. 相手を誘い込む「罠」としてのスペース(例:シメオネ監督のアトレティコ・マドリード)
  7. 7. まとめ
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1. サッカーにおける「間延び」とは? まずは基本をチェック

サッカーにおける「間延び」とは、チーム全体の陣形、特にフォワード(FW)の最前線からディフェンダー(DF)の最終ラインまでの距離が、必要以上に広がってしまっている状態を指します。

1-1. 間延びの定義:FWとDFの距離が広がりすぎた危険な状態

 

理想的なチームの陣形は、FW・ミッドフィルダー(MF)・DFの3つのラインが連動し、コンパクトに保たれている状態です。この「コンパクトさ」が失われ、各ライン間、特にFWとDFの間の距離(縦の距離)が大きく開いてしまうと、「間延び」と呼ばれます。

具体的には、この縦の距離が30メートル以上、場合によっては40メートル近くにもなってしまうと、チームは機能不全に陥りやすくなります。現代サッカーでは、この距離を約25メートルから30メートル以内に保つことが一つの目安とされています。

1-2. なぜ「間延び」がサッカーで問題視されるのか?

なぜ「間延び」はこれほどまでに問題視されるのでしょうか。

それは、チームの「コンパクトさ」が失われることで、攻守両面において様々な弊害が生まれるからです。

選手間の距離が遠くなると、パスは通りにくくなり、ボールを奪われてもすぐに次の選手がサポート(カバー)に入れません。守備ではプレスが効かず、攻撃では厚みが出ない。つまり、チームとして連動して戦うサッカーの根本が難しくなってしまうのです。次の章で、間延びが引き起こす具体的なデメリットを詳しく見ていきましょう。

2. あなたのチームは大丈夫? 間延びが引き起こす4つの深刻なデメリット

「間延び サッカー」が常態化すると、チームは勝利から遠ざかってしまいます。ここでは、間延びがもたらす主な4つのデメリットを解説します。心当たりのある方は要注意です。

2-1. 1. 中盤に広大なスペースを与え、自由にプレーさせてしまう

最も深刻なデメリットは、DFラインとMFラインの間、あるいはMFラインとFWラインの間に、相手が自由に使える広大なスペース(いわゆる「バイタルエリア」や「ライン間」)が生まれてしまう点です。

このスペースに相手のトップ下やインサイドハーフなど、技術の高い選手に侵入されると、前を向いてパスやドリブル、シュートを打つ余裕を与えてしまいます。例えば、2018年のロシアワールドカップ、決勝トーナメント1回戦の日本対ベルギー戦の後半、日本代表の足が止まり始めた時間帯にベルギーの選手たちにこのスペースを効果的に使われ、逆転負けを喫したシーンは記憶に新しいかもしれません。

2-2. 2. プレスが連動せず、相手に簡単にボールを運ばれる

チームが間延びしていると、守備の「連動性」が著しく低下します。

FWが前からプレスをかけても、中盤の選手との距離が遠すぎてサポートが間に合いません。これではFWは「プレスに行っても無駄だ」と感じ、追わなくなってしまいます。

結果として、相手のDFやボランチはプレッシャーを受けずにボールを持ち、正確なロングパスや縦パスを前線に供給できます。プレスが連動しないため、相手は簡単にボールを前進させることが可能になります。

2-3. 3. セカンドボールが拾えず、常に後手に回る

サッカーでは、クリアボールやこぼれ球、いわゆる「セカンドボール」をどちらが拾えるかが、試合の流れを大きく左右します。

チームが間延びしていると、選手間の距離が遠いため、このセカンドボールへの反応が遅れます。

例えば、ロングボールを前線に蹴った際、FWが競り合っても、そのこぼれ球を拾うべき中盤の選手が遠くにいては、相手に回収されてしまいます。守備時も同様で、クリアしたボールを相手に拾われ、二次攻撃、三次攻撃を受け続ける苦しい展開になります。常に後手に回る守備を強いられるのです。

2-4. 4. 攻守の切り替え(トランジション)が遅くなり、チャンスを逃す

現代サッカーで最も重要視される要素の一つが、攻守の切り替え(トランジション)の速さです。

しかし、間延びしているチームは、この切り替えが致命的に遅くなります。

  • 守備→攻撃の切り替え:ボールを奪っても、次のパスコースとなる味方選手が遠くにいます。これでは、相手が守備陣形を整える時間ができてしまい、速攻(カウンター)が仕掛けられません。
  • 攻撃→守備の切り替え:ボールを失った瞬間、近くにいる選手がすぐにプレスをかける(即時奪回)のが理想ですが、間延びしていると近くに味方がいません。相手にカウンターの絶好の機会を与えてしまいます。

3. なぜ起こる? サッカーで「間延び」が発生する主な5つの原因

では、なぜチームは「間延び」してしまうのでしょうか。その原因は一つではなく、複合的に絡み合っている場合がほとんどです。主な原因を5つ挙げます。

3-1. 原因1:FWのプレスが甘く、DFラインがずるずる下がる

最もよくある原因が、前線の守備(プレス)と最終ライン(DF)の連動が取れていないパターンです。

FWの選手のプレスが遅かったり、強度が低かったりすると、相手は余裕を持って前を向き、DFラインの裏へロングボールを蹴る態勢に入れます。

DFラインの選手たちは、裏のスペースを使われることを極度に恐れます。そのため、相手に前を向かれると、DFライン全体がずるずると後ろに下がりすぎてしまいます。FWは前に残り、DFは後ろに下がる。この結果、中盤に大きなスペースが生まれ、間延びが発生します。

3-2. 原因2:DFラインの押し上げが遅く、全体が後ろ重心になる

原因1とは逆に、DFラインの押し上げ(ラインコントロール)が遅いために間延びするケースもあります。

例えば、味方がボールを保持して攻撃に転じている、あるいは相手がボールを後ろに戻した(バックパスした)にも関わらず、DFラインが低い位置に留まり続けると、チーム全体が後ろ重心になります。

FWやMFは前に行こうとしているのに、DFラインだけが取り残される。これも典型的な間延びのパターンです。DFラインの選手たちが「オフサイドトラップ」を狙う意識や、ライン全体をコンパクトに保つ意識が低いと発生しやすくなります。

3-3. 原因3:中盤(MF)の運動量不足・ポジショニングのミス

FWとDFの距離が開いてしまう最大の被害者は、その間でプレーする中盤(MF)の選手たちです。

MFの選手たちは、攻撃にも守備にも関わり、広いエリアをカバーすることが求められます。

しかし、チーム全体が間延びすると、MFの選手がカバーすべきスペースも異常に広くなります。元々運動量が少ない選手だったり、ポジショニングの判断が悪かったりすると、この広いスペースを埋めきれず、結果として間延びがさらに助長されます。

3-4. 原因4:チーム全体の疲労(特に試合後半)

試合の序盤はコンパクトな陣形を保てていても、試合終盤、特に60分を過ぎたあたりから急に間延びし始めるチームは多いです。

これは単純に、チーム全体の「疲労」が原因です。

走る体力がなくなってくると、以下のような現象が起こります。

  • FWのプレスが甘くなる。

  • DFラインの押し上げが遅れる。

  • 中盤の選手の運動量が落ち、スペースを埋められなくなる。まさに、これまで挙げてきた原因がすべて同時に発生するのです。体力が尽きると、頭ではコンパクトに保とうと分かっていても、足が動かなくなってしまいます。

3-5. 原因5:選手間のコーチング(声かけ)不足と意識のズレ

技術や体力以前の問題として、「意識のズレ」と「コミュニケーション不足」も大きな原因です。

サッカーは11人が連動するスポーツです。

  • DFライン:「ラインを上げるぞ!」「ステイ!」

  • FW:「(プレスに)行くぞ!」「限定しろ!」

  • 中盤:「(スペースを)埋めろ!」「スライド!」

こうした具体的な「コーチング(声かけ)」が試合中にないチームは、各自の判断がバラバラになりがちです。DFラインは下げたいのに、FWは前から追いたい。この意識のズレが、陣形の歪み、すなわち「間延び」を生み出します。

4. 「間延び」解消の鍵は「コンパクト」! 理想的な陣形とは?

「間延び サッカー」の対極にあるのが、「コンパクトなサッカー」です。間延びを解消するためには、この「コンパクトさ」をチーム全体で追求する必要があります。

4-1. 「コンパクト」= 3ライン(FW, MF, DF)の距離を適切に保つ

コンパクトな陣形とは、FW・MF・DFの3つのラインが、適切な距離感を保ち、全体として一つのブロックのように機能している状態を指します。

具体的には、「縦のコンパクトさ」と「横のコンパクトさ」の2種類があります。

コンパクトさの種類 意味
縦のコンパクトさ FWの最前線からDFの最終ラインまでの距離
横のコンパクトさ チーム全体の横幅(主にボールがあるサイドと逆サイドの距離)

「間延び」は、主にこの「縦のコンパクトさ」が失われた状態を指します。

4-2. 理想的な距離は? 縦(FW-DF)約25~30m、横(サイド間)約40m

では、理想的な距離とはどのくらいでしょうか。

もちろん、試合状況やチーム戦術によって変動しますが、現代サッカーの一般的な目安は以下の通りです。

  • 縦(FW-DF)の距離: 約25メートル ~ 30メートルこれ以上狭すぎると、DFラインの裏のスペースを使われやすくなり、広すぎると間延びします。
  • 横(サイド間)の距離: 約40メートル(ピッチの横幅の半分強)ボールがあるサイドに全体がスライド(寄る)ことで、横幅もコンパクトに保ちます。

この距離感をピッチ上で選手全員が共有することが、間延びを防ぐ第一歩です。

4-3. コンパクトを保つメリット

コンパクトな陣形を保つことには、間延びのデメリットをすべて解消するメリットがあります。

  • 守備のメリット

    • 選手間の距離が近いため、プレスが連動しやすくなる。

    • 相手が使えるスペースがなくなり、パスコースを限定できる。

    • ボールを奪われても、すぐに周囲の選手がサポートし、即時奪回を狙える。

    • セカンドボールを拾いやすくなる。

  • 攻撃のメリット

    • 選手間の距離が近いため、短いパスが繋がりやすくなる。

    • ボール保持者へのサポートが速く、厚みのある攻撃ができる。

    • ボールを失った際のカウンターリスクを減らせる。

2022年のカタールワールドカップで、強豪ドイツやスペインを破った日本代表の戦い方は、まさにこのコンパクトな守備ブロックが機能した好例と言えます。

5. 明日からできる! サッカーの「間延び」を解消する具体的な3つの方法

「間延び」の原因と、目指すべき「コンパクトさ」が理解できたところで、具体的な解消法を見ていきましょう。チーム全体での意識改革とトレーニングが必要です。

5-1. 方法1:DFラインの勇気ある押し上げとラインコントロール

間延び解消の第一歩は、DFラインのコントロールです。

DFラインは、チーム全体の陣形の「基準線」となります。DFラインが下がりすぎれば、チーム全体が間延びします。

最も重要なのは、「ボール保持者が前を向いていない時」に勇気を持ってラインを押し上げることです。

例えば、相手がバックパスをした時、横パスをした時、あるいはFWのプレスによって相手が前を向けなくなった瞬間。この瞬間にDFラインが数メートル押し上げるだけで、チーム全体のコンパクトさは劇的に改善されます。

センターバックやゴールキーパーが積極的にコーチングし、ライン全体を統率することが求められます。

5-2. 方法2:FWからの連動したプレス(ファーストディフェンダーの決定)

DFラインが押し上げやすくするためには、前線の選手(FW)が相手にプレッシャーをかけ、自由に前を向かせない守備が不可欠です。

特に重要なのが「ファーストディフェンダー(最初にプレスをかける選手)」の動きです。

FWの選手は、ただやみくもにボールを追うのではありません。

  • いつ行くのか?(相手のトラップが乱れた瞬間、パスコースが限定された瞬間など)

  • どこを限定するのか?(縦パスのコースを切るのか、サイドに追い込むのか)

これらを明確にしてFWがプレスをかけ、中盤の選手がそれに連動してパスコースを塞ぐ。この「連動」が始まれば、DFラインは安心してラインを高く保つことができます。

5-3. 方法3:チーム全体で「コンパクトさ」を意識するトレーニング

最終的には、練習でコンパクトな状態を体に染み込ませる必要があります。

最も効果的な練習の一つが、「グリッド(区画)」を使ったトレーニングです。

例えば、ピッチを縦に3分割、あるいは4分割するラインを引きます。そして、「ボールがどのエリアにある時に、チーム全体がどの位置にいなければならないか」を徹底的に反復練習します。

  • 例:「ボールが右サイドのアタッキングサード(攻撃エリア)にある時は、チーム全員がピッチの右半分、かつハーフウェイラインより前にいる」といったルールを決める。

このようなトレーニングを通じて、選手全員がボールの位置に応じて連動して動く「習慣」を身につけることが、間延び解消への一番の近道です。

6. 間延びは悪影響だけ? 戦術的な「間延び」の活用法(上級編)

ここまで「間延び=悪」として話を進めてきましたが、実は上級編として、意図的に「間延び」した状況を作り出し、それを戦術として利用するチームも存在します。

6-1. 意図的にスペースを作り出し、カウンターを狙う戦術

これは、非常にリスクの高い戦術ですが、特定の状況下では効果を発揮します。

例えば、自チームのFWに非常に足の速い選手がいる場合。

あえて自陣に引きこもり、相手のDFラインを高くおびき出します。この時、自チームの陣形は「間延び」しているように見えます。

しかし、これは「罠」です。相手が前がかりになった瞬間にボールを奪い、前線に残っている快足FWめがけて、DFと中盤の間の広大なスペースへロングボールを供給します。

これは、緻密な計算と、ボール奪取能力、そして一撃で仕留めるキック精度とスピードがあって初めて成立する、高度なカウンター戦術です。

6-2. 相手を誘い込む「罠」としてのスペース(例:シメオネ監督のアトレティコ・マドリード)

スペインの強豪アトレティコ・マドリードを率いるディエゴ・シメオネ監督は、時に「間延び」を戦術的に利用することで知られています。

彼らは強固な守備ブロックを敷きますが、あえて特定のエリア(例えばサイドの低い位置)にスペースを作り出し、相手に「そこは空いているぞ」とパスを出させます。

しかし、相手がそのスペースにパスを出した瞬間、周囲の選手たちが一斉にそのボールホルダーに襲いかかり、ボールを奪い取ります。これは「間延び」しているのではなく、意図的に「スペースという罠」を仕掛けているのです。

7. まとめ

サッカーにおける「間延び」は、チームの連携が失われ、攻守両面で機能不全に陥っている危険なサインです。

その主な原因は、FWのプレスの甘さ、DFラインのコントロールミス、中盤の運動量不足、疲労、そしてコミュニケーション不足にあります。

この問題を解決する鍵は、チーム全体が「コンパクトさ」を意識することです。

  1. DFラインの勇気ある押し上げ

  2. FWからの連動したプレス

  3. コンパクトさを意識したトレーニング

これらを徹底することで、チームは連動性を取り戻し、強い組織として機能し始めます。

まずは自分のチームがなぜ間延びしているのか、この記事を参考に分析することから始めてみてはいかがでしょうか。

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