欧州クラブサッカーの頂点を決めるUEFAチャンピオンズリーグ 2024-2025シーズンは、いよいよ佳境を迎えた。ドイツ・ミュンヘンのフースバル・アレーナ・ミュンヘンでの決勝を目指し、残るはわずか4チーム。アーセナル、パリ・サンジェルマン(PSG)、バルセロナ、そしてインテル・ミラノが、欧州王者の栄冠をかけた最後の戦いに挑む。
準決勝の1stレグは、決勝への切符をかけた争いの行方を占う上で極めて重要な意味を持つ。ホーム&アウェイ形式のノックアウトステージにおいて、初戦の結果と内容は、続く2ndレグへの流れを大きく左右する。特に、戦術的な駆け引きや心理的なアドバンテージの獲得において、1stレグの持つ意味は大きい。今シーズンの準決勝では、ロンドンとバルセロナを舞台に、欧州屈指の強豪同士による注目の対決が繰り広げられた。
ロンドンの攻防:PSG、エミレーツで貴重なアウェイゴールを奪取
試合概要
- 結果: アーセナル 0 – 1 パリ・サンジェルマン
- 開催日時: 2025年4月29日(火)21:00 CET / 日本時間 4月30日(水)4:00
- 会場: アーセナル・スタジアム(エミレーツ・スタジアム)、ロンドン
- 得点者: ウスマン・デンベレ (PSG) 4分
- アシスト: フヴィチャ・クヴァラツヘリア (PSG)
試合の流れ:PSGの電光石火とアーセナルの反撃
16年ぶりにチャンピオンズリーグ準決勝の舞台に立ったアーセナル。本拠地エミレーツ・スタジアムは試合前から熱気に包まれたが、その興奮は開始わずか4分で冷や水を浴びせられることとなる。アウェイのPSGが、試合開始直後から積極的なプレッシングと素早いパスワークでアーセナルを圧倒した。アーセナルは序盤、フィールドプレイヤー間でほとんどパスを繋ぐことができず、PSGに一方的にボールを支配された。
その流れの中で生まれた先制点だった。ピッチ中央でボールを受けたウスマン・デンベレがドリブルで持ち上がり、左サイドのフヴィチャ・クヴァラツヘリアへ展開。ジョージア代表のウインガーは対峙したユリエン・ティンバーを巧みなステップでかわし、中央へ折り返す。これに走り込んだデンベレが左足でダイレクトに合わせると、ボールはファーポストの内側を叩いてゴールネットを揺らした。このゴールは、実に26本もの連続パスから生まれたものであり、PSGにとっては2003-04シーズン以降のCLにおける最多記録、アーセナルにとっては同期間におけるCLでの最多連続パスからの失点記録となった。また、アーセナルにとってはCLノックアウトステージ史上、最も早い時間帯での失点となった。
先制されたアーセナルは動揺を隠せず、PSGはその後も試合の主導権を握り続けた。特に最初の20〜25分間はPSGペースで進み、GKダビド・ラヤがデジレ・ドゥエのシュートを好セーブで防ぎ、ファビアン・ルイスのシュートがポストを叩く場面もあった。クヴァラツヘリアも再三アーセナル守備陣を脅かし、ペナルティエリア内で倒される場面もあったが、PKは与えられなかった。
しかし、前半の終盤にかけてアーセナルも徐々に反撃の糸口を見つけ出す。ヤクブ・キヴィオルのヘディングシュートはGKジャンルイジ・ドンナルンマに難なくキャッチされたが、ブカヨ・サカも得意の形からシュートを放つなど、徐々にリズムを取り戻す。そして前半終了間際、最大の決定機が訪れる。左サイドバックのマイルズ・ルイス=スケリーからの絶妙なスルーパスにガブリエウ・マルティネッリが抜け出し、GKと1対1の状況を迎える。しかし、マルティネッリのシュートは巨人ドンナルンマの好セーブに阻まれ、同点ゴールとはならなかった。
後半開始直後、アーセナルは同点に追いついたかに見えた。デクラン・ライスのフリーキックにミケル・メリーノが頭で合わせ、ゴールネットを揺らす。しかし、VARによる長い確認の結果、わずかにオフサイドの判定となり、ゴールは取り消された(記録によっては47分または50分)。
それでもアーセナルは攻勢を強めるが、立ちはだかったのがPSGの守護神ドンナルンマだった。56分、ライスからのパスを受けたレアンドロ・トロサールが決定的なシュートを放つが、ドンナルンマが驚異的な反応でこれをセーブ。「今シーズンのベストセーブ候補」とも評されるスーパープレーで、アーセナルの同点ゴールを阻止した。この試合、ドンナルンマは5つのセーブを記録し、これは今季のCLでの自身の最多タイ記録となった。
試合終盤、PSGは再び試合の主導権を握り返すが、追加点のチャンスを逸する。途中出場のブラッドリー・バルコラがGKとの1対1の場面でシュートを枠外に外し、同じく途中出場のゴンサロ・ラモスも85分に放ったシュートがクロスバーを直撃。アーセナルにとっては幸運な形で、1点差のまま試合終了のホイッスルを聞くこととなった。
戦術盤:エンリケ対アルテタ、ロンドンでのチェスゲーム
この試合では、両指揮官の戦術的な狙いが随所に見られた。
予想スターティングメンバーとフォーメーション
ポジション | アーセナル (4-3-3) | パリ・サンジェルマン (4-3-3) |
---|---|---|
GK | 22 D. ラヤ | 1 G. ドンナルンマ |
RB | 12 J. ティンバー (→ 83′ B. ホワイト) | 2 A. ハキミ |
CB | 2 W. サリバ | 5 マルキーニョス (c) |
CB | 15 J. キヴィオル | 51 W. パチョ |
LB | 49 M. ルイス=スケリー | 25 N. メンデス |
CM | 8 M. ウーデゴール (c) (→ 90+1′ E. ヌワネリ) | 17 ヴィティーニャ |
CM | 41 D. ライス | 87 J. ネヴェス (→ 89′ W. ザイール=エメリ) |
CM | 23 M. メリーノ | 8 F. ルイス |
RW | 7 B. サカ | 10 O. デンベレ (→ 70′ B. バルコラ) |
ST | 19 L. トロサール | 14 D. ドゥエ (→ 76′ G. ラモス) |
LW | 11 G. マルティネッリ | 7 K. クヴァラツヘリア |
PSGのルイス・エンリケ監督は、開始からアグレッシブなハイプレスを採用し、アーセナルの中盤にプレッシャーをかけた。特に、トーマス・パルティが出場停止だったアーセナルの中盤は、PSGの素早いトランジションに対応するのに苦労した。先制点の場面では、デンベレが中央にポジションを取り、クヴァラツヘリアがワイドに開くことで、アーセナル守備陣を混乱させた。リーグフェーズでエミレーツ・スタジアムで敗れていたにも関わらず、PSGが見せた自信に満ちた戦いぶりは、チームの成長を物語っていた。
一方、アーセナルのミケル・アルテタ監督は、序盤の劣勢を認めつつも、後半の修正でチャンスを作り出した。パルティ不在の影響は否めなかったが、デクラン・ライスの推進力や、若きルイス=スケリーの攻撃参加など、個々の選手の奮闘も見られた。試合後、アルテタ監督はパリでの2ndレグで「特別な何か」が必要だと語り、逆転への意欲を示した。
この試合の結果は、PSGがリーグフェーズでの敗戦から戦術的に大きく進化したことを示唆している。当時とは異なり、リヴァプールやアストン・ヴィラといった強豪を破ってきた経験を経て、より組織的で完成度の高いチームへと変貌を遂げた。エンリケ監督自身も試合後に「我々はより良いチームになった」と語っており、その言葉をピッチ上で証明した形だ。
また、アーセナルにとっては今季CLホーム初黒星となり、過去にホームでの1stレグで敗れた5度の欧州カップ戦では全て敗退しているという厳しいデータもある。しかし、過去の敗戦はいずれも2点差以上であり、0-1での敗戦は今回が初めて。PSGが終盤に決定機を逃したこともあり、1点差という僅差は、2ndレグに向けて決して絶望的な状況ではない。準々決勝でレアル・マドリードを破った実力を考えれば、パリでの逆転劇の可能性は十分に残されていると言えるだろう。
輝きと影:キープレーヤーと監督の手腕
この試合では、個々の選手のパフォーマンスが勝敗を分ける大きな要因となった。
PSGでは、決勝点を挙げたウスマン・デンベレが最大の脅威であり続けた。今季CLアウェイ戦での得点力は特筆すべきものがある。アシストを記録したクヴァラツヘリアも、左サイドからの鋭い突破で何度もチャンスを演出した。そして、守護神ドンナルンマは、数々の決定的なセーブでチームを救い、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せた。中盤ではヴィティーニャが攻守にわたり存在感を発揮し、試合のコントロールに貢献した。
アーセナルでは、デクラン・ライスとミケル・メリーノが中盤で奮闘し、高い評価を得た。メリーノは幻のゴールもあった。左SBのルイス=スケリーも、マルティネッリへの決定的なパスを供給するなど、攻守にわたって印象的なプレーを見せた。一方で、キャプテンのマルティン・ウーデゴールはこの試合でも輝きを放てず、厳しい評価となった。前線のマルティネッリとトロサールも、決定機を決めきれなかったことが悔やまれる。
監督に目を向けると、PSGのルイス・エンリケ監督は、アウェイでの勝利という結果に加え、試合運びにおいても老獪さを見せた。アーセナルのアルテタ監督は、難しい試合展開を認めながらも、選手たちの奮闘を称え、2ndレグでの逆転を信じる姿勢を崩さなかった。
試合の行方を左右する可能性のある要素として、デンベレの負傷が挙げられる。決勝点を挙げたフランス代表FWは、70分過ぎにハムストリングの違和感で交代。エンリケ監督は試合後、重傷ではないとしながらも、2ndレグへの出場は不透明であると認めた。今季、得点面でチームを牽引してきたデンベレの欠場は、PSGにとって大きな痛手となる可能性があり、2ndレグの戦術的なバランスに影響を与えるかもしれない。
数字が語る真実:試合スタッツ分析
試合内容を客観的に示すスタッツは、戦術的な分析を補強する上で重要となる。
特筆すべきは、PSGの先制点が26本の連続パスから生まれたこと。これはPSGの自信と試合コントロール能力の表れと言える。また、ドンナルンマの5セーブは、彼の個人能力がいかに結果に直結したかを示している。アーセナルにとっては、今季CLでのホーム初黒星という事実が重くのしかかる。
カタルーニャの狂騒:バルセロナとインテル、壮絶な6ゴールの応酬
試合概要
- 結果: バルセロナ 3 – 3 インテル・ミラノ
- 開催日時: 2025年4月30日(水)21:00 CET / 日本時間 5月1日(木)4:00
- 会場: エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス、バルセロナ
- 得点者:
- インテル: マルクス・テュラム (1分), デンゼル・ダンフリース (21分, 64分)
- バルセロナ: ラミン・ヤマル (24分), フェラン・トーレス (38分), ヤン・ゾマー (OG) / ハフィーニャ (65分) (注: 65分のゴールは記録により異なる)
- アシスト:
- インテル: ダンフリース (テュラムへ), アチェルビ (ダンフリース1点目へ), チャルハノール (ダンフリース2点目へ)
- バルセロナ: ハフィーニャ (F.トーレスへ)
記録とドラマの夜:息をのむ試合展開
バルセロナの臨時ホームスタジアム、エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニスで行われた一戦は、まさに「狂騒」と呼ぶにふさわしい、息をのむようなゴールラッシュとなった。
試合開始のホイッスルからわずか30秒、インテルがいきなり試合を動かす。デンゼル・ダンフリースからのクロスを、怪我から復帰したばかりのマルクス・テュラムが巧みなバックヒールでゴールに流し込み、先制点を奪取。これはCL準決勝史上、最速のゴール記録となった。
意表を突かれたバルセロナだったが、すぐに反撃を開始。しかし21分、インテルがコーナーキックから追加点を挙げる。フェデリコ・ディマルコのコーナーキックをフランチェスコ・アチェルビが頭で繋ぎ、最後はダンフリースがアクロバティックなシザースキックを叩き込み、リードを2点に広げた。
絶体絶命かに思われたバルセロナを救ったのは、17歳の神童ラミン・ヤマルだった。クラブ通算100試合目の出場となったこの試合、ヤマルは24分に圧巻の個人技を見せる。右サイドからドリブルで中に切れ込み、複数のDFを引きつけながら、ファーポスト内側に吸い込まれる完璧なシュートを決め、反撃の狼煙を上げた。17歳291日でのこのゴールは、CL準決勝史上最年少得点記録となった。勢いに乗るヤマルはその後もインテル守備陣を翻弄し、クロスバー直撃のシュートを放つなど、別格の存在感を放った。
そして38分、バルセロナが同点に追いつく。ペドリからの美しいクロスボールをファーサイドのハフィーニャが頭で折り返し、中央に走り込んだフェラン・トーレスがゴールに押し込んだ。壮絶な打ち合いとなった前半は、2-2の同点で終了した。
後半はやや落ち着いた立ち上がりとなるが、64分に再び試合が動く。インテルはハカン・チャルハノールのコーナーキックから、ダンフリースがこの日2点目となるヘディングシュートを決め、勝ち越しに成功する。
しかし、バルセロナもわずか1分後に反撃。コーナーキックの流れから、ペナルティエリア外でボールを受けたハフィーニャが強烈なロングシュートを放つ。ボールはクロスバーを叩き、GKヤン・ゾマーの背中に当たってゴールイン。記録上はゾマーのオウンゴールとされる場合もあるが、ハフィーニャのゴラッソが再び試合を振り出しに戻した。
試合終盤、インテルは75分にヘンリク・ムヒタリアンがゴールネットを揺らすが、VAR判定の結果、わずかな差でオフサイドとなり、勝ち越しゴールは認められず。その後、バルセロナが猛攻を仕掛けるも、インテルの守備陣が最後まで集中力を切らさず、3-3の引き分けでタイムアップとなった。
スタイルの衝突:バルサのポゼッション対インテルの堅守速攻
この試合は、両チームの明確なスタイルの違いが色濃く表れた一戦だった。
予想スターティングメンバーとフォーメーション
ポジション | バルセロナ (4-2-3-1/4-3-3) | インテル (3-5-2) |
---|---|---|
GK | 25 W. シュチェスニー | 1 Y. ゾマー |
RB | 23 J. クンデ (→ 42′ E. ガルシア) | 31 Y. ビセック |
CB | 2 P. クバルシ (→ 83′ A. クリステンセン) | 15 F. アチェルビ |
CB | 5 I. マルティネス | 95 A. バストーニ |
LB | 35 G. マルティン (→ 46′ R. アラウホ) | 32 F. ディマルコ (→ 56′ C. アウグスト) |
DM | 21 F. デ・ヨング | 20 H. チャルハノール (→ 71′ D. フラッテージ) |
CM | 8 ペドリ (→ 83′ ガビ) | 22 H. ムヒタリアン |
AM | 20 D. オルモ (→ 68′ F. ロペス) | 23 N. バレッラ |
RW | 19 L. ヤマル | 2 D. ダンフリース (→ 81′ M. ダルミアン) |
LW | 11 ハフィーニャ | 10 L. マルティネス (→ 46′ M. タレミ) |
ST | 7 F. トーレス | 9 M. テュラム (→ 81′ P. ジエリンスキ) |
ハンジ・フリック監督率いるバルセロナは、ボールポゼッションを高め、前線のタレント(特にヤマルとハフィーニャ)を活かした攻撃的なサッカーを展開した。しかし、その攻撃的な姿勢の裏返しとして、守備面での脆さも露呈し、インテルのカウンターやセットプレーから失点を重ねた。
一方、シモーネ・インザーギ監督率いるインテルは、伝統的に得意とする堅固な3バックをベースとした守備組織を敷きつつ、鋭いカウンター攻撃とセットプレーを武器にゴールを奪った。特に、右ウイングバックのダンフリースは攻守にわたって絶大な存在感を放ち、2ゴール1アシストと大車輪の活躍を見せた。インザーギ監督は試合後、ヤマルの才能を称賛しつつ、試合の難しさを語った。
この試合で際立ったのは、インテルのセットプレーにおける決定力の高さである。3点中2点がコーナーキックから生まれており、これはバルセロナにとって大きな脅威となった。バルセロナがボール支配率やシュート数でインテルを上回っていたにも関わらず、インテルが3ゴールを奪えたのは、このセットプレーでの強さが大きな要因であった。今季CLで8度のクリーンシートを達成しているインテルの守備力に加え、この得点パターンは2ndレグに向けても警戒すべき点となるだろう。
そして、この試合の主役の一人がラミン・ヤマルであったことは間違いない。CL準決勝最年少ゴール記録を樹立しただけでなく、その卓越したドリブルと決定力で、17歳とは思えない圧巻のパフォーマンスを披露した。クロスバーを叩くシュートもあり、常にインテル守備陣の脅威となり続けた。彼の存在は、バルセロナが劣勢から何度も追いつく原動力となり、2ndレグでの最大の武器となることを証明した。対戦相手のインザーギ監督も「ここ8、9年見たことがないような選手」と最大級の賛辞を送っており、その才能は疑いようがない。
輝いたスターたち:主役と監督の采配
壮絶な打ち合いとなったこの試合では、多くのスター選手が輝きを放った。
インテルでは、何と言ってもデンゼル・ダンフリースが圧巻のパフォーマンス。2ゴール1アシストを記録し、右サイドを完全に支配した。開始30秒でゴールを決めたマルクス・テュラムも、その決定力と存在感を示した。守備ではアチェルビがダンフリースの1点目をアシストし、中盤ではチャルハノールが2点目のアシストを記録するなど、チーム全体で機能した。
バルセロナでは、ラミン・ヤマルが歴史的なゴールを含む傑出したプレーでチームを牽引。ハフィーニャもアシストと(記録によっては)同点ゴールをマークし、攻撃を活性化させた。負傷したレヴァンドフスキに代わって先発したフェラン・トーレスも貴重な同点ゴールを決めた。中盤ではペドリが同点ゴールに繋がるキーパスを供給した。
監督の采配も注目された。バルセロナのフリック監督は、2度リードを許しながらも追いつくチームのメンタリティを称賛。インテルのインザーギ監督は、試合巧者ぶりを発揮し、特にセットプレーからの得点や、試合終盤の守備固めの交代策が光った。
数字の裏側:スタッツから読み解く激闘
試合のスタッツは、この激闘の様相をより深く理解する助けとなる。
主要スタッツ:バルセロナ vs インテル
スタッツ | バルセロナ | インテル | 出典例 |
---|---|---|---|
ボール支配率 (%) | 72 | 28 | |
シュート数 (合計) | 19 | 7 | |
枠内シュート数 | 9 | 3 | |
予想ゴール数 (xG) | 1.39 | 0.91 | |
パス数 (成功数) | (情報なし) | (情報なし) | – |
パス成功率 (%) | (情報なし) | (情報なし) | – |
ファウル数 | 10 | 11 | |
イエローカード | 1 | 1 | |
コーナーキック | 7 | 2 |
ボール支配率(バルセロナ72%対インテル28%)とシュート数(バルセロナ19本対インテル7本)は、バルセロナが試合を優勢に進めていたことを明確に示している。しかし、最終スコアが3-3であったことは、インテルの決定力の高さ(特にセットプレー)と、バルセロナの守備面の課題を浮き彫りにしている。予想ゴール数(xG)を見ても、バルセロナがチャンスの質でも上回っていた可能性が高いが、インテルは少ないチャンスを確実にものにしたと言える。記録的なテュラムの開始30秒ゴールとヤマルの最年少ゴールも、この試合の特異性を物語っている。
準決勝1stレグ総括:見えた傾向と対照的な展開
ロンドンとバルセロナで行われた準決勝1stレグは、対照的な試合展開を見せた。アーセナル対PSG戦が、緊迫した守備戦とカウンターの応酬、そして個の力による1点で決着したのに対し、バルセロナ対インテル戦は、互いにゴールを奪い合う壮絶な打ち合いとなった。
両試合に共通して見られたのは、個の能力の重要性である。PSGのデンベレとドンナルンマ、バルセロナのヤマル、インテルのダンフリースといった選手たちが、試合の流れを大きく左右する決定的なプレーを見せた。現代サッカーにおいて、組織的な戦術と同様に、局面を打開できる個の力がいかに重要であるかを改めて示した。
また、セットプレーの重要性も再認識させられた。インテルはコーナーキックから2得点を挙げ、試合を有利に進める大きな要因となった。アーセナルも、幻となったメリーノのゴールはフリーキックから生まれており、セットプレーが勝敗を分ける鍵となり得ることを示唆している。
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)も、両試合で重要な役割を果たした。アーセナルのメリーノのゴール取り消し、インテルのムヒタリアンのゴール取り消しは、いずれも僅差の判定であり、試合結果に直接的な影響を与えた。
1stレグの結果は対照的だったが、両カードともに2ndレグに向けて予断を許さない状況である。PSGは1点のリードを得たものの、アーセナルがアウェイで逆転する力を持っていることは疑いようがない。一方、3-3のドローに終わったバルセロナとインテルの対戦は、完全に五分の状況で2ndレグを迎えることになり、どちらが勝ち上がるか全く予想がつかない。異なるスコアラインにも関わらず、両方の準決勝が2ndレグで更なるドラマを生み出す可能性を秘めている。
運命の第2戦へ:注目ポイントと展望
ミュンヘンでの決勝進出をかけた運命の2ndレグは、間もなくキックオフを迎える。各カードの注目ポイントと展望を見ていこう。
パリ決戦 (PSG vs アーセナル – 5月7日/8日)
- 現状: PSGが1-0でリード。2ndレグはPSGのホーム、パルク・デ・プランスで開催。
- アーセナルの課題: 勝利が絶対条件。1stレグで見られた決定力不足を解消し、アウェイで「特別な何か」を見せる必要がある。出場停止だったパルティの復帰は朗報。
- PSGの戦略: リードを守りつつ、得意のカウンターで追加点を狙う。エンリケ監督の哲学から、守備一辺倒になる可能性は低い。最大の懸念材料は、1stレグで負傷交代したデンベレの状態。
- 注目ポイント: デンベレの出場可否、アーセナル攻撃陣の奮起、パルク・デ・プランスの雰囲気にアーセナルがどう対応するか。
ミラノ決戦 (インテル vs バルセロナ – 5月6日/7日)
- 現状: 合計スコア3-3の同点。2ndレグはインテルのホーム、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サン・シーロ)で開催。
- バルセロナの課題: アウェイでの勝利が必要。1stレグで露呈したセットプレー守備の改善が急務。攻撃面では、引き続きヤマルの活躍に期待がかかる。
- インテルの戦略: ホームアドバンテージを最大限に活かしたい。堅守をベースに、カウンターとセットプレーでバルセロナゴールを脅かす。1stレグで大活躍したダンフリース、そしてラウタロ・マルティネスとテュラムの2トップが鍵を握る。
- 注目ポイント: バルセロナの攻撃力がサン・シーロでインテルの堅守を打ち破れるか。インテルは再びセットプレーから得点できるか。プレッシャーのかかる大一番で、どちらのチームが冷静さを保てるか。
2つの準決勝は、それぞれ異なる様相を呈しながらも、どちらも予断を許さない接戦となっている。2ndレグでは、戦術的な修正、個々の選手のコンディション、そして精神的な強さが、ミュンヘン行きの切符を手にするチームを決定づけるだろう。欧州最高峰の舞台で繰り広げられるであろう、更なる激闘に期待が高まる。
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