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サッカーのデコイとは?得点を生む「スペース創出」の秘密|ルカクの「おとり」

解説
サッカー戦術「デコイ」インタラクティブ解説

サッカー戦術: デコイ

デコイとは サッカーにおける「おとり」の動き

サッカー観戦をしていると、「今の選手、良いおとりになったね!」といった解説を聞いたことはありませんか?「デコイとは サッカー」と検索されたあなたは、この「デコイ」について知りたいと思っているのではないでしょうか。

デコイ(Decoy)とは、英語で「おとり」や「サクラ」を意味する言葉です。

サッカーにおけるデコイとは、「味方選手を活かすために、意図的に相手ディフェンダーを引きつける(あるいはスペースから遠ざける)動き」を指します。ボールを持っていない選手(オフ・ザ・ボール)が行う、非常に重要で戦術的なプレーの一つです。

「デコイラン」と呼ばれることもありますが、これはデコイの動きの中でも特に「走る」動作に焦点を当てた表現です。しかし、実際には走るだけでなく、立ち止まる、あるいはゆっくり歩くことで相手を引きつけるデコイも存在します。

一見すると、ただ走っているだけ、あるいはサボっているように見えるプレーが、実はチームの得点チャンスを生み出すための高度な「デコイ」である可能性は非常に高いのです。このプレーの奥深さを知ると、サッカー観戦が何倍も楽しくなります。

デコイランが持つ目的とメリット

デコイは、単に走り回るプレーではありません。そこには明確な「目的」が存在し、成功すればチームに大きな「メリット」をもたらします。味方のために、チームの勝利のために行われる献身的なプレーなのです。

目的①:味方のために「スペース」を創出する

デコイの最大の目的は、味方選手が自由にプレーできる「スペース」を作り出すことです。サッカーは、いかに「危険なスペース」でフリーでボールを受けるかが重要です。デコイの動きによって相手ディフェンダーを意図的に動かし、本来パスを受けたかった場所や、別の味方が使いたい場所にスペースを生み出します。

目的②:相手ディフェンダーを「引きつける」

二つ目の目的は、相手ディフェンダーを特定の場所に「引きつける」、あるいは「釘付けにする」ことです。ディフェンダーを引きつければ、そのDFが本来守るべきだった場所が空きます。例えば、サイドバックがデコイとして駆け上がると、相手は対応せざるを得ず、結果としてボールホルダーへのプレッシャーが弱まります。

試合でよく見る!デコイランの主なパターン4選

デコイランには、いくつかの典型的なパターンが存在します。これを知っておくと、試合観戦の際に「あ、今のはデコイだな」と気づけるようになります。各パターンをクリックして詳細を確認してみましょう。

【図解】サッカー史に残るデコイラン

デコイの重要性を示す最も有名なシーンの一つが、2018年ロシア・ワールドカップ決勝トーナメント1回戦「ベルギー対日本」の決勝ゴールです。下の図解で、ロメル・ルカク選手の歴史的なデコイランの瞬間をステップバイステップで見てみましょう。

KDB
MUN
LUK
CHA
DF1
DF2

ステップ1: 日本のCKからベルギーの高速カウンターが発動。デ・ブライネ(KDB)が中央をドリブルで持ち上がります。

デコイが上手い選手に共通する特徴

デコイは誰でもできるプレーに見えますが、質の高いデコイランには、選手の能力が大きく影響します。デコイが上手い選手には、以下のような共通点があります。

① 広い視野と高い戦術理解度

最も重要な特徴です。「今、チームはどこにスペースを欲しがっているか」「自分がどう動けば、相手がどう動くか」を予測する能力が求められます。元日本代表の中村憲剛選手は、この能力が非常に高く、常に味方がプレーしやすいスペースを作り出す動きを実践していました。

② チームのための献身性

デコイは、自分が得点するためではなく、味方に得点を取らせるためのプレーです。自分が目立つのではなく、縁の下の力持ちに徹する「献身性」や「自己犠牲の精神」がなければ務まりません。チームメイトから絶大な信頼を寄せられます。

③ 「歩く」デコイ(メッシ選手の例)

デコイは「ラン」だけではありません。リオネル・メッシ選手は、「歩くデコイ」の達人です。彼が意図的に特定の場所で立ち止まると、ディフェンダーは彼に釘付けになります。その結果、他の味方選手が別のエリアでフリーになるのです。

効果的なデコイランを行うための3つのコツ

もしあなたがサッカーをプレーする側であれば、質の高いデコイランを習得することで、チームに欠かせない選手になれます。また、観戦する側であっても、このコツを知ることで、選手の動きの意図がより深く理解できます。

  • ①「本気度」を伝える走り(スピード)

    デコイランは、「おとり」であると相手にバレてはいけません。「本当にパスが出てくるかもしれない」と相手に思わせる「本気度」が重要です。中途半端ではなく、全力で(あるいは本気に見える緩急をつけて)走ることで、相手DFは対応せざるを得なくなります。

  • ② 味方と相手を「見る」タイミング

    ただ闇雲に走っても意味がありません。走る前に、パスの出し手である味方の状況(顔が上がっているか、パスが出せる体勢か)を確認します。そして、自分が動くことでどのディフェンダーを動かしたいのか、ターゲットを定めて動くことが重要です。

  • ③ 動きを止めない(やり切る)

    デコイランは、一度始めたらやり切ることが大切です。途中で「パスが出てこないな」と諦めて動きを止めてしまうと、せっかく引きつけかけていたディフェンダーが、元のポジションに戻る余裕を与えてしまいます。パスが出てこなくても、動きを続けることで、次のチャンスにつながります。

まとめ

「デコイとは サッカー」における「おとり」の動きであり、一見地味ながらも、チームの得点チャンスを創出するために絶対に欠かせない戦術的なプレーです。

  • デコイの目的: スペースの創出と、ディフェンダーの引きつけ。
  • デコイのメリット: 味方がフリーになり、守備組織を混乱させ、攻撃の選択肢を増やす。
  • 有名な例: 2018年W杯でのルカク選手のスルー。
  • 上手い選手の特徴: 高い戦術眼、献身性、そして時には「歩く」ことさえ武器にする。

デコイは、ボールを持っていない時にこそ、選手の真価が問われるプレーです。次にサッカーを観戦する際は、ぜひボールホルダーだけでなく、その周りで献身的に走り回る選手たちの「デコイラン」にも注目してみてください。今まで見えていなかった、サッカーの奥深い戦術の世界が広がっていくはずです。

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