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間接フリーキックとは?直接FKとの違いや審判の「片手」の合図を解説

解説





現代フットボールにおける間接フリーキックの構造的・戦術的包括分析レポート:競技規則の解釈からペナルティエリア内の極限攻防まで


  1. 1. 序論:競技規則第12条・第13条における「間接」の意義
    1. 1.1 間接フリーキックの定義と枠組み
    2. 1.2 主審のシグナルとその継続義務
    3. 1.3 得点成立の厳格な条件(2タッチルール)
  2. 2. 対象となる反則の完全分類:フィールドプレーヤーとゴールキーパーの境界
    1. 2.1 フィールドプレーヤーも対象となる共通反則
      1. ① オフサイド (Offside)
      2. ② 危険なプレー (Playing in a dangerous manner)
      3. ③ 進行の妨害 (Impeding the progress of an opponent)
      4. ④ ゴールキーパーのパントキック妨害
      5. ⑤ 異議および言語による反則 (Dissent / Verbal offences)
    2. 2.2 ゴールキーパーにのみ適用される「4つの制限」
      1. ① 6秒ルール (The 6-second rule)
      2. ② バックパスの処理 (Backpass rule)
      3. ③ スローインの処理
      4. ④ リリースの後の再接触
  3. 3. ペナルティエリア内における間接フリーキックの特異性
    1. 3.1 「PKにならない」というパラドックス
    2. 3.2 「9.15メートルの壁」の例外規定
    3. 3.3 ボールの設置位置に関する調整
  4. 4. データと実例で見る「カオス」の現場
    1. 4.1 発生頻度の統計的分析
    2. 4.2 ケーススタディ:ヘルタ・ベルリン vs レバークーゼン
    3. 4.3 その他の特筆すべき事例
  5. 5. 究極のセットプレー戦術:攻防のメカニズム
    1. 5.1 攻撃側の戦術オプション:11人の壁をどう崩すか
    2. 5.2 守備側の戦術ドクトリン:肉壁の構築
  6. 6. 戦術的・歴史的示唆と結論
    1. 6.1 「間接」がもたらすフットボールの深み
    2. 6.2 まとめ:観戦のためのチェックリスト
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1. 序論:競技規則第12条・第13条における「間接」の意義

1.1 間接フリーキックの定義と枠組み

フットボール(サッカー)という競技において、試合再開の手段としてのフリーキック(Free Kick)は、その性質によって「直接(Direct)」と「間接(Indirect)」の2種類に厳格に分類されています。この区分は、国際サッカー評議会(IFAB)が定める「競技規則(Laws of the Game)」の第13条に明記されており、反則の種類を規定する第12条と密接に連動しています。

**間接フリーキック(Indirect Free Kick)とは、その名の通り、「キッカーが蹴ったボールが、ゴールインする前に(キッカー以外の)他の競技者に触れなければ得点が認められない」**という制約を持つフリーキックです。

この「間接」という概念が存在する法的・哲学的な理由は、反則の性質に由来します。

  • 直接フリーキック: 相手競技者を蹴る、殴る、押す、あるいはハンドリングを行うなど、**「相手への直接的な加害」「物理的なプレー妨害」**に対して与えられます。これらは悪質性が高く、即座に得点機会(直接ゴールを狙う権利)を与えることで均衡を保つという懲罰的意味合いを持ちます。

  • 間接フリーキック: オフサイド、危険なプレー(接触なし)、ゴールキーパーの技術的な反則など、**「競技の進行手順や公平性を損なう行為」**に対して与えられます。これらは相手の身体を直接傷つけるものではないため、罰則としては一段階緩和され、「得点するにはワンクッション必要」という制約が課されるのです

1.2 主審のシグナルとその継続義務

観客やプレーヤーが、そのフリーキックが直接か間接かを判別する唯一にして絶対の指標は、主審のハンドシグナルです。

  • シグナルの形態: 主審は片腕を頭上に垂直に高く上げます。このジェスチャーは、単なる合図ではなく、競技者に対する「直接狙っても得点にはならない」という警告としての機能を持ちます

  • シグナルの継続: この腕を上げる動作は、キックが行われた後も継続されなければなりません。具体的には、**「ボールが他の競技者(味方または相手)に触れるか、あるいはアウトオブプレーになるまで」**維持されます

この継続義務は非常に重要です。もし主審が誤ってシグナルを早く下げてしまい、キッカーが直接ゴールを狙ってしまった場合、判定上の混乱を招く原因となるからです。

1.3 得点成立の厳格な条件(2タッチルール)

間接フリーキックにおける得点のプロセスは、物理的な接触の有無に完全に依存します。

状況 判定と再開方法 根拠となるルール
直接ゴールに入った場合 ノーゴール。相手チームのゴールキックで再開。 第13条:得点は認められない。
直接自陣ゴールに入った場合 ノーゴール。相手チームのコーナーキックで再開。 オウンゴールも直接は成立しない。
味方に触れてゴール ゴール 2タッチ目の条件クリア。
相手(GK含む)に触れてゴール ゴール

「キッカー以外の競技者」には相手も含まれる

特筆すべきは、**「相手ゴールキーパーが触れた場合」**も得点が認められる点です。例えば、直接狙ったシュートをGKが弾き、そのままゴールに吸い込まれた場合は「GKによるタッチ」があったため得点となります。逆に、GKが触れずにボールを見送り、そのままネットを揺らした場合はゴールキックとなります。


2. 対象となる反則の完全分類:フィールドプレーヤーとゴールキーパーの境界

間接フリーキックが与えられる反則は多岐にわたりますが、大きく「全競技者共通の反則」と「ゴールキーパー固有の反則」に大別されます。これらを詳細に分析することで、現代サッカーの戦術的制約が見えてきます。

2.1 フィールドプレーヤーも対象となる共通反則

以下の反則は、ポジションに関わらず適用されます

① オフサイド (Offside)

現代サッカーにおいて間接フリーキックが記録される最大の要因です。オフサイドポジションにいる選手がプレーに関与した瞬間、主審は腕を上げ、その地点からの間接フリーキックを宣告します。これは「身体接触のない不正なポジショニング」に対する是正措置です。

② 危険なプレー (Playing in a dangerous manner)

この反則の解釈は非常に繊細であり、しばしば誤解を生みます。

  • 定義: ボールをプレーしようとする際、相手競技者を負傷させる恐れのある動作を行うこと(自らを危険にさらす行為も含む)。

  • 具体例: 相手の顔の近くに足を高く上げる(ハイキック)、相手が蹴ろうとしているボールに対し頭を低く下げる(ローヘッド)。

  • 重要な境界線: これらは**「接触がない場合」**に限り間接フリーキックとなります。もしハイキックが相手の顔に当たれば、それは「ファウルタックル」や「蹴る行為」となり、直接フリーキック(またはPK)に格上げされます。

③ 進行の妨害 (Impeding the progress of an opponent)

かつて「オブストラクション」と呼ばれていた反則です。ボールがプレー可能な範囲にないにもかかわらず、相手の進路に身体を入れてブロックする行為です。ボールが近くにある状態での正当なシールディング(ボールを隠す行為)とは区別されます。

④ ゴールキーパーのパントキック妨害

GKがボールを手から放す(パントキックやスロー)際、それを至近距離で邪魔する行為です。GKがボールをコントロールしている間は、相手は挑むことができません。

⑤ 異議および言語による反則 (Dissent / Verbal offences)

審判への執拗な抗議、侮辱的な発言、あるいは相手を惑わすための掛け声(「リーブ(任せろ)!」と叫んで相手を騙すなど)は、スポーツマンシップに反する行為として間接フリーキックの対象となります。

2.2 ゴールキーパーにのみ適用される「4つの制限」

ペナルティエリア内で手を使える特権を持つゴールキーパーですが、その特権が悪用されることを防ぐため、以下の4つのケースではハンドリングが禁止され、間接フリーキックが与えられます 1

① 6秒ルール (The 6-second rule)

  • 内容: 手でボールをコントロールしてから、6秒を超えて保持し続けること。

  • 現状の運用: 厳密に6秒で笛が吹かれることは稀ですが、明らかに時間を浪費していると判断された場合に適用されます。これは試合のテンポを維持するためのルールです

② バックパスの処理 (Backpass rule)

  • 内容: 味方競技者が**「意図的に足で蹴った」**ボールを手で扱うこと。

  • 歴史的背景: 1992年に導入されたこのルールは、現代サッカーの戦術を劇的に変えました。それ以前は、守備側がプレッシャーを受けるとGKにボールを戻し、GKがそれを手で拾って時間を稼ぐ行為が横行していました。このルール改正により、GKには足元の技術(ビルドアップ能力)が求められるようになりました

  • 判定基準: 「足(くるぶしより下)」でのキックに限定されます。膝、太もも、胸、頭でのパスは手で扱っても反則になりません。ただし、足でのパスを回避するために意図的にボールを浮かせて頭や胸でパスをするトリックプレーは、スポーツマンシップに反する行為として警告対象となり、間接フリーキックが与えられます(ボールを手で扱ったか否かに関わらず反則となります)

③ スローインの処理

  • 内容: 味方からのスローインを直接手で受けること。

  • 理由: バックパスと同様、安易な時間稼ぎを防ぐためです。

④ リリースの後の再接触

  • 内容: ボールを手から放した後、他の競技者が触れる前に、再び手でボールに触れること。

  • 例: パントキックをしようとしてボールを落としたが、気が変わって再び拾い上げる行為など。


3. ペナルティエリア内における間接フリーキックの特異性

間接フリーキックが「守備側のペナルティエリア内」で発生した場合、通常のサッカーの常識が通用しない特殊な空間が出現します。これは、サッカーファンにとって最もエキサイティングな瞬間の一つです。

3.1 「PKにならない」というパラドックス

通常、守備側のペナルティエリア内での反則はペナルティキック(PK)となります。しかし、前述の「間接フリーキックに相当する反則(バックパスや危険なプレーなど)」については、PKにはならず、その違反が起きた地点からの間接フリーキックとなります。

ゴールまでわずか数メートルという至近距離でフリーキックが行われる可能性があるのは、このためです。

3.2 「9.15メートルの壁」の例外規定

通常、守備側の選手はボールから9.15m(10ヤード)離れなければなりません。しかし、ゴールエリア(5.5m)付近でファウルが起きた場合、ゴールまでの距離が物理的に9.15m確保できません。

この場合、競技規則により以下の例外が適用されます。

守備側競技者は、自身のゴールポスト間のゴールライン上に立つ場合に限り、9.15m離れる必要はない。

これにより、ゴールキーパーを含む守備側の全選手(最大11人)がゴールライン上に一列に並び、ゴールを人間の壁で完全に塞ぐという異様な光景が生まれます。この状態は、海外メディアやファンの間で「The Great Wall(巨大な壁)」や「Bus Parking(バスを停める)」の究極系として語られます。

3.3 ボールの設置位置に関する調整

もし反則がゴールエリア(小さい長方形)の内部で発生した場合、ボールをその地点に置くとゴールに近すぎて守備側が壁を作るスペースすらなくなってしまいます。

そのため、**「ゴールエリア内で起きた間接FKは、違反が起きた地点に最も近いゴールエリアライン上(ゴールラインに平行な線)まで戻して行う」**という規定があります。

つまり、どんなにゴールに近い反則でも、キックポイントはゴールから約5.5mの地点となります。


4. データと実例で見る「カオス」の現場

ペナルティエリア内の間接フリーキックは、統計的に見ても非常に稀な現象です。

4.1 発生頻度の統計的分析

プレミアリーグにおける過去10年間のデータを分析すると、ペナルティエリア内での間接フリーキックはわずか8回しか記録されていません。

年間数百試合が行われるリーグにおいて、1シーズンに1回あるかないかという確率です。この希少性の要因は以下の通りです。

  1. GKの技術向上: 現代のGKは足元の技術が高く、バックパスを適切に処理できるため、キャッチミスによる反則が減った。

  2. 審判の心理: ペナルティエリア内での間接FKは、得点確率が高く、かつ試合を混乱させるため、審判が「6秒ルール」などを厳密に取らない傾向がある 4

4.2 ケーススタディ:ヘルタ・ベルリン vs レバークーゼン

ブンデスリーガの試合で発生した、歴史に残る「カオス」の実例です。この事例は、間接フリーキックの特殊性をすべて含んでいます

  • 状況: ゴールエリア付近での反則により、レバークーゼンに間接フリーキックが与えられた。

  • 守備側の対応(ヘルタ・ベルリン): ゴールキーパーを含む全11人の選手がゴールライン上に隙間なく並び、ゴールの枠内を完全に肉体で封鎖した。

  • 攻撃側の対応(レバークーゼン): ボール周辺に数人が集まり、誰が触るか分からないように攪乱。

  • 結果: 笛が鳴った瞬間、ゴールライン上の11人のうち数名が弾丸のようにボールへ飛び出す(チャージ)。攻撃側はわずかな隙間を狙ってシュートを放つも、肉弾戦の末にブロックされる。

このシーンは「11 Players on the Line!」として世界中のメディアで取り上げられ、間接フリーキックの視覚的なインパクトを象徴する映像となりました。

4.3 その他の特筆すべき事例

  • ウルヴァーハンプトン vs イプスウィッチ(プレミアリーグ): GKのアレックス・パーマーが味方のバックパスを手で処理せざるを得ない状況に追い込まれ、間接FKを献上。この際も守備陣がライン上に密集し、攻撃側は「チョン蹴り&強打」を選択した

  • レオン・ベイリーのバックパス未遂事件(アストン・ヴィラ): ハーフウェーライン付近からGKエミリアーノ・マルティネスへのバックパスがあわやオウンゴールになりかけた事例。もしこれが枠に入っていた場合、ルール上はGKが触れていないため「コーナーキック」となるが、GKが触れようとして手を使ってしまえば間接FK、触ってゴールに入ればオウンゴールという、極めて判断の難しい状況であった


5. 究極のセットプレー戦術:攻防のメカニズム

ペナルティエリア内の間接フリーキックは、通常のFKとは全く異なる戦術的思考を要求します。

5.1 攻撃側の戦術オプション:11人の壁をどう崩すか

ゴールまでの距離は5.5m〜10m程度。壁までの距離もほぼありません。この状況下で有効な戦術は限られます。

戦術名 具体的な手順 メリット デメリット
ストップ&スマッシュ(Stop & Smash) 味方Aが足裏でボールを軽く踏んで動かす(1タッチ目)。味方Bが全力でシュート(2タッチ目)。 最も速く、壁が反応する前に打ち抜ける可能性がある。 密集した壁に当たる確率が極めて高い。跳ね返りからのカウンターリスク。
チップ&ボレー(Chip & Volley) 味方Aがボールをすくい上げて浮かす。味方Bが空中のボールをボレーシュート。 地面を這うボールよりも、壁の足元や密集を越えやすい。GKのタイミングを外せる。 高度な技術が必要。枠を外すリスクが高い。
フェイク&パス(Fake & Pass) シュートを打つふりをして、壁の脇にいる味方Cへパス。角度を変えてからシュート。 壁を動かし、シュートコースを作り出せる。 パス回数が増える分、守備側に寄せられる時間を与える。

攻撃の鍵: 守備側の「特攻隊(チャージャー)」がボールに到達するまでの時間はコンマ数秒です。複雑なサインプレーをする余裕はなく、シンプルかつ迅速なリスタートが求められます。

5.2 守備側の戦術ドクトリン:肉壁の構築

守備側にとって、これは絶体絶命のピンチですが、同時に「枠さえ埋めれば防げる」状況でもあります。

  1. 全員配置: GKを含め全員がゴールラインに並ぶ。身長の高い選手を中央に、低い選手をポスト脇に配置する。

  2. スーサイド・スクワッド(特攻隊): 全員がラインに留まるのではなく、俊足の選手2〜3名を指名し、主審の笛とともにボールへ猛ダッシュさせる。彼らの役割は、シューターの足元に体を投げ出し、シュートコースを至近距離で消すことである。

  3. ハンドリングの回避: 至近距離でのシュートブロックとなるため、腕が体から離れているとハンド(PK)を取られるリスクが高い。選手は腕を後ろに組むか、股間を守る姿勢を取るのが鉄則である。


6. 戦術的・歴史的示唆と結論

6.1 「間接」がもたらすフットボールの深み

間接フリーキック、特にバックパスルールは、フットボールの戦術進化において決定的な役割を果たしました。1992年のルール改正以前、GKは単なる「手を使える防波堤」でしたが、バックパスが禁止されたことで、足元の技術を持つ「11人目のフィールドプレーヤー」へと進化を余儀なくされました 4。

今日、エデルソンやノイアーのようなGKが攻撃の起点となっているのは、間接フリーキックという罰則の存在が、GKのプレースタイルを変革させた結果と言えます。

6.2 まとめ:観戦のためのチェックリスト

最後に、読者が実際の試合で間接フリーキックに遭遇した際に注目すべきポイントを整理します。

  • 主審の腕: 上がっているか?(上がっていれば間接、直接ゴールしても無効)

  • 場所: ペナルティエリア内か?(エリア内なら壁はライン上、ボールはエリアライン上)

  • 再開の理由: オフサイドか、それともGKのミスか?

  • 攻撃側の工夫: 誰が1タッチ目を触るか? 素早いリスタートか、入念なサインプレーか?

  • 守備側の飛び出し: 誰がボールに向かって突っ込んでいくか?

間接フリーキックは、ルールブックの片隅にある地味な条項ではありません。それは、フットボールの歴史的進化を物語る証人であり、現代においてもなお、試合の流れを一変させる「究極のカオス」を生み出す装置なのです。次に主審が高々と手を上げた時、あなたはその手のひらに隠された深遠なドラマを理解し、より深く試合を楽しむことができるでしょう。

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