1. そもそもサッカーにおける「残留」とは?
結論から言うと、サッカーにおける「残留(ざんりゅう)」とは、**「所属するリーグから降格せずに、来シーズンも同じリーグで戦う権利を得る」**ことを意味します。 例えば、日本のJ1リーグに所属するチームが、シーズン終了時にJ1に留まることを「J1残留」と呼びます。
多くのプロサッカーリーグでは「昇格・降格制度」が採用されています。これにより、シーズン終了時の成績によって、チームが所属するカテゴリー(リーグ)が変動します。 この制度があるため、「リーグに留まる」ための熾烈な戦い、すなわち「残留争い」が生まれるのです。
昇格と降格のイメージ
J1リーグ (上位リーグ)
▲ 昇格 ▼ 降格
J2リーグ (下位リーグ)
J1で下位になるとJ2へ「降格」。J1で戦い続けることが「残留」です。
2. なぜ「残留」を目指すのか?Jリーグの「降格」の仕組み
チームが必死に「残留」を目指すのは、その反対である「降格(こうかく)」が、クラブにとって非常に厳しい結果をもたらすからです。降格とは、所属リーグから下のカテゴリーのリーグへ落ちてしまう制度を指します。
2-1. 2024年シーズン J1リーグの降格ルール
2024年からJ1、J2、J3のチーム数が20チームに統一されました。これに伴い、J1リーグの降格ルールは以下のようになっています。
- リーグ: J1リーグ (20チーム)
- 降格枠: 3チーム
- ルール: シーズン終了時の順位が下位3チーム(18位、19位、20位)のクラブが、J2リーグへ自動降格します。
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
11位
12位
13位
14位
15位
16位
17位 (残留)
18位 (降格)
19位 (降格)
20位 (降格)
2-2. 降格がクラブに与える深刻な影響
もしJ2へ降格してしまうと、クラブは経営面やチーム編成において多大な影響を受けます。
① 経営 (収入減少)
J1とJ2ではリーグからの分配金(放映権料など)が大きく異なり、収入が大幅に減少します。
② スポンサー
「J1」である価値で契約していたスポンサーが、契約額を減らしたり、撤退したりする可能性があります。
③ 選手流出
より高いレベルを望む主力選手が、他のJ1チームや海外チームへ移籍してしまうリスクが高まります。
3. J1残留には何ポイント必要?「残留ライン」の目安
残留か降格かは、シーズンを通しての「勝ち点」(勝ち:3点, 引分:1点, 負け:0点)で決まります。シーズン終盤になると「残留ライン(残留に必要な勝ち点)」が注目されます。
3-1. 「勝ち点40」は安全すぎ? 平均的な残留ライン
よく「残留ラインは勝ち点40」と言われますが、過去のJ1(18チーム制/3枠降格時代)のデータを見ると、実際はもう少し低い位置にラインがありました。
グラフは、J1が18チーム制で下位3チームが自動降格だったシーズン(2009年〜2023年 ※特別ルール年を除く)の平均データです。 残留した15位の平均勝ち点は「36.8点」、降格した16位の平均勝ち点は「34.3点」でした。
データ上は、「勝ち点37」あたりが、残留か降格かを分ける平均的なラインだったと言えます。
※2024年シーズンは20チーム制(3枠降格)となったため、この残留ラインが変動する可能性があります。
4. もう一つの「個人残留」とは?
ここまでは「チーム」としての残留の話でしたが、ファンの間では「個人残留(こじんざんりゅう)」という言葉も使われます。 これは、**「チームは降格してしまったが、そのチームで活躍した選手が、降格しなかった他のJ1チームや海外クラブへ移籍する」**ことを指す俗語です。
チームと共にJ2へ降格せず、選手個人はJ1の舞台に「残留」した、というわけです。降格争いをする苦しいチーム状況でも、個人のパフォーマンスが高く評価されれば、ステップアップの移籍に繋がることがあります。
ケーススタディ:個人残留の具体例
| 選手名 |
降格したチーム (シーズン) |
翌年に移籍したJ1チーム |
| 遠藤 航 (えんどう わたる) |
湘南ベルマーレ (2014年 J1・18位) |
浦和レッズ |
| 谷口 彰悟 (たにぐち しょうご) |
大分トリニータ (2013年 J1・18位) ※当時大学4年で特別指定 |
川崎フロンターレ (※2014年に入団) |
| 前田 大然 (まえだ だいぜん) |
松本山雅FC (2019年 J1・17位) |
マリノス (※ポルトガル移籍を経て2021年に) |
※上記は代表的な例であり、移籍の背景は様々です。チームに残り、J1昇格を目指す選手も数多くいます。
コメント